みのる選:2024年4月度

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2024年4月28日

4月20日~4月26日

2024年04月26日
藤棚に日の斑こぼるる亭午かな澄子
友の名を教へてくれる一年生なつき
花筏早瀬の波に呑まれけり澄子
存問のごと玄室へ花の風明日香
新しき靴の軽さよ春堤風民
蜘蛛孤独網の破れも繕はずせいじ
2024年04月25日
よべの雨晴れて眩しき柿若葉むべ
青芝にダイヤ散らしに雨上がるむべ
病みし眼を癒やすがごとき若楓あひる
藤房を頭突きやまずよ虻の群康子
たたなづく山のごとくに春の雲きよえ
卯の花の籬に憩ふ乳母車澄子
咲き満ちて藤棚千客万来す澄子
2024年04月24日
連鎖して双子の欠伸春の昼もとこ
三線に手の踊りだす花筵あひる
病癒へたんぽぽの絮吹く子かなむべ
2024年04月23日
百千鳥こぼるる楠の大樹かな満天
ポキと折る松葉独活より水溢る風民
蒲公英の絮を飛ばして鳩翔てり康子
2024年04月22日
鯉のぼり風のうましと太りけりあひる
折り皺に泳ぎにくさう鯉のぼりかえる
白蝶の日に遊びをる畑昼餉風民
山椒の葉平手打ちして若竹煮むべ
苺食ぶ犬もお手して欲しがりぬかえる
あめんぼの水輪池面に溢れをりきよえ
2024年04月21日
至福なる葉擦れの音や若葉風せいじ
桜茶のひらく花弁に寛ぎぬ千鶴
2024年04月20日
疎に離れまた密となる花筏かえる
合唱の音合はせめく初蛙むべ
中空に淡しと思ふ花水木澄子
藤棚の下に人垣将棋盤こすもす
鯉のぼり揚げて朝市浜日和なつき
まくなぎを払えば脚の覚束なたか子
一水へ翳すなぞへの若楓康子

2024年4月21日

4月13日~4月19日

2024年04月19日
夕闇に棚の白藤揺れやまずむべ
カフェテラス白き卓布へ若葉影康子
花屑をつけしバイカー道の駅かえる
朝窓を繰るや眼福新樹光澄子
神木を鎧ひし蔦の芽吹きけり澄子
三輪山の薄雲払ふ桜南風明日香
2024年04月18日
戻り来し猫の額に桜蕊澄子
薮椿おちよぼ口から蕊のぞくかえる
鯉のぼり茅葺屋根に大家族康子
2024年04月17日
磯の香に深呼吸して春惜しむ千鶴
仏手石の指の長さよ花の冷なつき
先生に桜蕊降る離任式みきお
朝風におしやべりやまぬ若楓むべ
ネモフィラの丘駈けめぐる疾風かな康子
両手あげ拙き歩み花吹雪ぽんこ
2024年04月16日
春祭子ども歌舞伎の朗々と山椒
十字架の塔抽んでし花の雲かえる
二タ三言交はし池塘の春惜しむ澄子
飛花の渦落花の渦やつむじ風むべ
玻璃窓を今ぞと叩く春の雹せつ子
2024年04月15日
薫風の岬鼻なる観覧車みきえ
花下微笑せる一門の女流どちかえる
2024年04月14日
抽んでて蒼天支ふ楠若葉ぽんこ
夕風に小袖振るやう白あやめむべ
須磨なれや白帆浮かべし沖のどかわかば
祈祷殿出づる赤子に花吹雪康子
2024年04月13日
花冷えや阿修羅の頬に紅さしてたか子
袖口をひと折内へ入園児智恵子
水脈引きて行き交ふ船や風光るみきえ

2024年4月14日

4月6日~4月12日

2024年04月12日
よどみなく馳せる疎水の花筏むべ
花屑を吐きて大きな鯉の口康子
銀輪の轍くつきり落花道かえる
祝福のごとく総身に花吹雪むべ
2024年04月11日
遠山は花の曼荼羅鍬休めうつぎ
花下に笑む一会の人は車椅子むべ
花筏分けて棹さす渡舟かなせつ子
2024年04月10日
花筏分けて水脈引く残り鴨やよい
雨粒を溜めて仰向く落椿康子
夕映に鏡びかりす柿若葉むべ
陣旗立つ古井戸に花散り込めりなつき
虎刈りに焼跡三笠山笑ふもとこ
2024年04月09日
切株に並べられある落椿むべ
母と肩ならべて覗く犬ふぐり康子
2024年04月08日
手作りの菓子持ち寄りて花の宴澄子
花の雲馳せゆくジェットコースター智恵子
大池の水際を綴る花の影せつ子
曇天に読経くぐもる花御堂もとこ
背伸びする幼の指に花吹雪せつ子
湧水に渦巻いてをる花筏康子
2024年04月07日
試歩の母饒舌となる花の道康子
ウエーブのごとくに風の花菜畑澄子
大木をどぐろまきして蔓芽吹くみきえ
2024年04月06日
放流のダムの飛沫に飛花落花千鶴
公園の子供列車に花ふぶきみきえ
この平和永遠にと願ふ花の下たか子
渚めく広場の落花畳かな澄子

2024年4月7日

3月30日~4月5日

2024年04月05日
花万朶妣いまさばと思ひけりわかば
媼みな姉さん被り鹿尾菜干す智恵子
雀どち狼藉やまぬ落花かな康子
くろぼこに円陣なせる仏の座かえる
一門の墓碑堵列せる木下闇澄子
谷川の瀬音に和せる初音かな千鶴
2024年04月04日
兄と手をつなぎ入学お下げ髪なつき
あひ互ひ蔓絡めあひ豆の花かえる
山門を入れば天蓋大桜康子
うち仰ぐ古刹の磴へ若葉影むべ
阿形なる仁王春塵まみれかなたか子
2024年04月03日
小流れの岩を縁取る花筏康子
羊群のごと中腹の山桜せいじ
春暁や靄の内なる畝傍山明日香
春風に犬の立ち耳と見かう見かえる
桜餅葉つぱ食べる派食べない派もとこ
発進も停止も優し花のバス山椒
花の雨傘渋滞す太鼓橋なつき
花筏雨粒に揺れはじめけり康子
欠伸して猫も春愁あるならんわかば
2024年04月02日
青空に辛夷の映ゆる朝かな明日香
帰北の吾子見送る駅に桜まじむべ
碧眼の人と並びて花下に佇つぽんこ
久闊を叙す満開の花の下たか子
七色に陽をはじきゐるしゃぼん玉康子
四姉妹ボックスシート花の旅かえる
もの憂さな猫の欠伸も麗らけし澄子
バトミントン羽根満開の花に消ゆ康子
羽拡ぐ孔雀に喝采花の客なつき
オクターブ上げて啼きつぐ匂鳥やよい
2024年04月01日
老幹の洞に舞ひ込む落花かな康子
花韮の侍る大樹の根方かなかえる
旅うらら踏切待ちの間も俳句澄子
靴擦れの踵を撫でる新社員山椒
うち屈み犬と語らふ春帽子あひる
子ら登るジャングルジムへ花吹雪康子
2024年03月31日
対岸の土堤を埋めて花菜畑康子
霖雨晴れ芽吹く垣根となりにけり澄子
雨粒の珠と輝く木の芽かな康子
里山を墨絵ぼかしに春霞やよい
ぺちやくちやとひと駅愉し踏青子澄子
思はざる友と再会イースターわかば
旅疲れ癒やす車窓の春夕焼むべ
旅うらら俳句談義の尽きるなしかえる
行き一分帰り三分や花堤あられ
2024年03月30日
花冷の両手につつむふるまひ茶なつき
草野球雀隠れに球探すみきお
鎌倉のブランド大路踏青す澄子
焼杉塀つづく古町木の芽晴むべ
賀茂堤花の遅しとたもとほりもとこ
エリカ映ゆ異人館めく白壁にかえる
白皙に深く被りし春帽子かえる
中庭に花見椅子置く資料館康子