成績一覧

12月30日 (投句24名 選句28名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
古井戸に注連縄飾る旧家かな	澄子	7	愛正.智恵子.あられ.明日香.こすもす.たか子.みきえ.
老い母の爪切り済ます年用意	あひる	4	満天.なつき.きよえ.たか子.
搗き立ての餅を丸める手から湯気	豊実	4	えいじ.千鶴.なつき.ぽんこ.
玻璃磨く吾を包みこむ冬青空	むべ	3	えいじ.山椒.素秀.
冬落暉黒点のごと鳥の影	なつき	3	せいじ.素秀.明日香.
鍋蓋を盾に牡蠣焼く母の声	智恵子	3	豊実.康子.あられ.
紅白の小福桜に小春空	えいじ	3	むべ.山椒.澄子.
靴紐を結び直して探梅行	みきお	3	たかを.えいいち.みきえ.
丑三つの甍てらてら冬満月	やよい	3	えいいち.みきお.こすもす.
紙漉女水を自由に操りぬ	みきお	3	なおこ.澄子.やよい.
珈琲屋煤逃げらしき客ばかり	澄子	2	かえる.なおこ.
門松を運ぶ軽トラ銀座行く	智恵子	2	せいじ.きよえ.
手摺とて労り菰巻く庭男	かえる	2	満天.ぽんこ.
本殿の幣新しき年用意	ぽんこ	2	もとこ.みきお.
子らくれし胼薬の香ひと日終ふ	むべ	2	小袖.もとこ.
シニア寄り門松づくり姦しく	千鶴	1	康子.
数へ日や身体を休め孫を待つ	せいじ	1	智恵子.
玄関を開けばジュラ紀風邪の夢	素秀	1	むべ.
浮く柚子を尻で押さふる冬至風呂	愛正	1	豊実.
冬日燦空へと抜ける男坂	康子	1	やよい.
出番待つスワンボートや冬ざるる	康子	1	たかを.
数へ日や厨仕事の音絶えず	せいじ	1	かえる.
蒼天へこぞり臘梅ほつほつと	満天	1	千鶴.
静かなる比叡見守り冬満月	もとこ	1	小袖.
ケーキ二個子と取り分けて煤籠	なつき	1	愛正.

12月29日 (投句24名 選句29名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
門松の切つ先匂ふ老舗かな	もとこ	8	えいじ.かえる.豊実.なつき.あられ.明日香.みきえ.えいいち.
冬杣の地下足袋並ぶ山の宿	みきお	7	康子.もとこ.たかを.かかし.みきえ.はく子.やよい.
一句得てやうやくときし懐手	澄子	5	満天.かかし.素秀.はく子.やよい.
千枚漬輝きつ箸滑りおつ	むべ	5	えいじ.愛正.康子.あひる.ぽんこ.
雪あかり合掌造里の黙	智恵子	4	愛正.山椒.むべ.えいいち.
冬日差し手話は尽きない老夫婦	たかを	4	豊実.素秀.千鶴.なおこ.
ババ抜きに犇めく炬燵吾子膝に	智恵子	3	あられ.みきお.きよえ.
冬井戸の枯れて小石の遠き音	素秀	2	澄子.きよえ.
煤逃げについつい尖る口の先	明日香	2	なおこ.みきお.
有明の極月の望手を合す	明日香	2	智恵子.千鶴.
円月橋ゆるりとくぐる紅葉川	康子	2	あひる.むべ.
寒柝の男らの声追ひにけり	むべ	2	満天.澄子.
冬晴の青空機影一直線	きよえ	2	たかを.明日香.
髪切りて染めて身軽に年忘れ	なつき	2	智恵子.もとこ.
年の瀬や受け持ち決めてこなす家事	せいじ	2	なつき.こすもす.
歩を止めて風やり過ごす冬の道	かえる	1	せいじ.
揺れはじく桑の小枝や冬の鵙	愛正	1	ぽんこ.
寒月の光流るる港かな	千鶴	1	山椒.
冬の浜カラフル漁網堆し	こすもす	1	かえる.
牛舎より洩れる白息冷える朝	みきお	1	こすもす.
べた凪の島に寒さを忘れけり	うつぎ	1	せいじ.

12月28日 (投句26名 選句31名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
うち揃ふ寒柝の音三廻り目	やよい	7	豊実.せいじ.あられ.満天.みきお.こすもす.たか子.
電飾を外すその手で年用意	あひる	5	智恵子.素秀.明日香.たかを.澄子.
咲き満ちてなほ密やかや冬桜	あひる	5	山椒.智恵子.明日香.はく子.そうけい.
夫逝きし年のままなる古暦	むべ	4	もとこ.みきえ.ぽんこ.なつき.
煤払ひ出でし写真に大休止	みきえ	3	えいじ.もとこ.澄子.
冬月の満ちて書淫の目を覚ます	せいじ	3	そうけい.たか子.小袖.
冬木の芽みな青空を向いてをり	康子	3	豊実.あひる.きよえ.
灯籠の窓より見ゆる冬芽かな	ぽんこ	3	せいじ.あられ.むべ.
冴ゆる夜や不動明王猛る伽藍	山椒	3	満天.ぽんこ.みきお.
荒風のときに崩れし鴨の陣	澄子	2	愛正.あひる.
遠吠も悲歌なる犬に月冴える	素秀	2	うつぎ.小袖.
青空に弦絞る音弓始め	みきお	2	山椒.はく子.
菰巻きの松にかけたる白き紙垂	なつき	2	愛正.みきえ.
風邪の身を押して厨に立つ妻よ	せいじ	2	なおこ.うつぎ.
峠越え樹氷煌めく別世界	智恵子	2	なおこ.きよえ.
青空に銀嶺凍てて浮かびたり	山椒	2	かえる.千鶴.
雪の五箇山障子灯りの暖かし	はく子	2	千鶴.こすもす.
儘ならぬ身重の嫁に鏑汁	もとこ	1	康子.
流れ去る一葉貼りつく初氷	愛正	1	むべ.
数え日や刻を競ひて大掃除	澄子	1	康子.
カート引きメモを片手の年の暮れ	満天	1	たかを.
冬野菜幾箱も詰め夫走る	明日香	1	えいいち.
土盛りの門松風に笹鳴らす	なつき	1	えいいち.
冬うららスパングルめく伊勢の海	えいじ	1	かえる.
冬ざれや海見下ろして忠魂碑	こすもす	1	なつき.
湯ざめせし一時間のサスペンス	愛正	1	素秀.
熱線を吐くゴジラのやう息白し	素秀	1	えいじ.

12月27日 (投句23名 選句28名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
臥龍松うねりのままに菰巻かれ	康子	7	愛正.満天.もとこ.みきお.こすもす.やよい.明日香.
敷石の窪み煌めく初氷	愛正	5	むべ.智恵子.素秀.みきお.みきえ.
冬落暉街もろともに呑み込みぬ	むべ	4	たか子.満天.山椒.なつき.
稜線を超えて滝めく時雨雲	智恵子	4	かえる.えいいち.あひる.きよえ.
数へ日の子守雑巾かけながら	なつき	4	むべ.康子.えいいち.澄子.
境内の雨後の重たき落葉掻	豊実	3	ぽんこ.あられ.こすもす.
ひとつとて浮かしてうれし柚子湯かな	えいじ	3	豊実.あひる.なつき.
あとは寝るだけの幸せ玉子酒	あひる	3	たか子.たかを.千鶴.
霜晴の土手にかもめの脚紅き	もとこ	3	豊実.せいじ.きよえ.
辛口の酒にひきたつ牡丹鍋	澄子	2	千鶴.明日香.
手を会わす白き指先初明かり	みきお	2	山椒.たかを.
靴音の過ぎてさらなる寒の黙	澄子	2	かえる.やよい.
マフラーに顔を埋めて人を待つ	満天	2	えいじ.澄子.
般若湯呑んで治さんこんな風邪	せいじ	2	康子.はく子.
水鳥や揉みゆく木々の水鏡	康子	2	もとこ.あられ.
凍畑に溝切りの筋濃く深く	千鶴	1	せいじ.
大冬田遮るものの何もなく	明日香	1	はく子.
餌のこびりつく皿咥え冬の犬	素秀	1	智恵子.
首すこし振りて鼻歌落葉掃き	えいじ	1	素秀.
石庭や渦のあはいの散り紅葉	明日香	1	ぽんこ.
水枯るる底石顕小川かな	きよえ	1	愛正.
裸木になりて宿木そこここに	智恵子	1	みきえ.
信号待ち襟立て直すバイク便	かえる	1	えいじ.

12月26日 (投句26名 選句30名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
一年の紙の重さよ新暦	康子	6	そうけい.山椒.せいじ.むべ.もとこ.澄子.
五年日記米寿迎ふる年用意	愛正	4	えいじ.小袖.なつき.千鶴.
また一つ本棚に立つ古日記	康子	4	せいじ.素秀.なおこ.うつぎ.
霜雫べそ掻く如く鬼瓦	かかし	4	かえる.そうけい.素秀.あひる.
裸木を透かし落暉の地平線	素秀	4	康子.豊実.小袖.たかを.
友逝けりビーズのような冬の星	山椒	3	たか子.えいいち.智恵子.
暮れ早し磨き残しのある厨	明日香	3	豊実.愛正.澄子.
手燭いま聖歌に揺るる火影かな	むべ	3	ぽんこ.みきお.こすもす.
賛美歌のあふるる堂の聖樹かな	あひる	3	満天.なおこ.なつき.
凍星や丘の上なるミニチャペル	せいじ	2	明日香.うつぎ.
夫の愚痴聞き流しつつおでん酒	かえる	2	愛正.えいいち.
水鳥の流れに添ふの逆らふの	明日香	2	康子.たか子.
クッキーを焼きためて待つクリスマス	あひる	2	明日香.きよえ.
幹裂けるなれど冬芽の生き生きと	ぽんこ	2	千鶴.智恵子.
海風がテント巻き上ぐ師走市	なつき	2	かえる.もとこ.
数へ日のカウントダウンはじまれり	澄子	2	かかし.きよえ.
年の瀬や賑やか子らの火の用心	智恵子	2	えいじ.ぽんこ.
オーバー着てやがて脱ぎ捨つ散歩道	千鶴	1	こすもす.
末吉の恙無き日やおでん酒	かかし	1	あられ.
樅黒く杉芳しく聖夜更く	むべ	1	あられ.
枝先に残る一枚冬紅葉	みきお	1	かかし.
男手はもう頼めない年の暮	たか子	1	あひる.
薯雑炊戦後を生きし大家族	みきお	1	たかを.
数え日を医局の黙に待つ時間	たか子	1	山椒.
裸木となりて揺るがぬ欅の木	えいじ	1	満天.
咲き初めし蝋梅散らし一羽発つ	澄子	1	むべ.
まだ暗きあかりの灯る豆腐店	かえる	1	みきお.

12月25日 (投句24名 選句33名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
着ぶくれてマトリョーシカのような君	山椒	6	千鶴.素秀.澄子.小袖.やよい.うつぎ.
起き上がるお尻に枯葉また一歩	かえる	5	えいじ.康子.はく子.そうけい.ぽんこ.
朝練のコーチの被るサンタ帽	なつき	4	えいじ.豊実.もとこ.明日香.
クリスマス孫の目覚めを待つおもちゃ	康子	4	智恵子.愛正.明日香.なおこ.
林檎園赤いほっぺの豆画伯	智恵子	4	たかを.なつき.はく子.きよえ.
老若の歌声あがる聖夜かな	あひる	3	満天.なおこ.むべ.
柊の花の風来る朝の道	えいじ	3	智恵子.あられ.そうけい.
人住まぬ家の軒下花八手	みきお	3	愛正.たか子.かかし.
古暦ぺたりと壁に馴染みおり	えいじ	3	かえる.豊実.もとこ.
隣席に燭火分けあふ降誕祭	むべ	3	満天.みきお.やよい.
飯桐の実の赤々と女坂	なつき	2	澄子.むべ.
客よりも売子多しや年の暮れ	満天	2	たか子.みきえ.
聖歌隊すり抜け料理皿掲ぐ	むべ	2	たかを.あひる.
青天のふちほんのりと冬茜	明日香	2	えいいち.せいじ.
歳の市花苗貰ふ長き列	みきえ	2	かえる.みきお.
子の作る聖夜のケーキ大拍手	そうけい	2	こすもす.あひる.
洗礼の白きガウンやクリスマス	あひる	2	なつき.きよえ.
極月や元気何より老二人	きよえ	2	こすもす.うつぎ.
久に聞く拍子木の音の冴え返る	澄子	2	山椒.かかし.
日差し受け千の光を実千両	満天	2	えいいち.千鶴.
つなぎ着たサンタの戯れる子供会	康子	1	素秀.
朝日受け霜の花降り土手きらら	もとこ	1	山椒.
月凍てて浮世小路の二十五時	澄子	1	あられ.
聖夜空駆けてイルミの赤トナカイ	素秀	1	康子.
総力でじりじりと掘る牛蒡引き	豊実	1	みきえ.
圧巻の大逆転走冴ゆる京	千鶴	1	ぽんこ.
電飾の絡まる木立冬ざるる	みきお	1	小袖.
漣の湖面溶け入る冬紅葉	山椒	1	せいじ.

12月24日 (投句25名 選句30名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
独り居に冬至南瓜の煮ゆる音	むべ	6	康子.素秀.あひる.澄子.千鶴.えいいち.
悴みて手話も縺るる講演会	かえる	6	えいじ.素秀.なつき.せいじ.はく子.明日香.
偕老の役目分け合ふ冬菜畑	せいじ	4	智恵子.もとこ.たかを.そうけい.
吉良墓所の白き蝋涙凍てにけり	なつき	4	もとこ.ぽんこ.小袖.せいじ.
下校子の両手の荷物冬休み	満天	3	愛正.山椒.みきお.
亡き人の尽きぬ逸話やおでん食ぶ	むべ	3	康子.あひる.きよえ.
裏庭の鬼門に小さき冬芽あり	康子	3	かえる.あられ.千鶴.
凍てし夜や腐食始まる銅版画	素秀	3	豊実.むべ.澄子.
蜜凍る夜の底ひの林檎の香	澄子	3	かえる.ぽんこ.そうけい.
柚子湯して黄色き湯気を纏ひけり	うつぎ	3	なおこ.たか子.あられ.
立ち読みの背ナあがり来る寒さかな	澄子	2	小袖.たか子.
コンサートホール出迎ふポインセチア	きよえ	2	山椒.満天.
聖歌いま頬にひやりとバイオリン	素秀	2	たかを.はく子.
懐かしき歌いっぱいに忘年会	満天	2	こすもす.なつき.
吊り橋を見上ぐ絶景降る紅葉	智恵子	2	なおこ.みきお.
冬ざれや木の根あらはの切通し	はく子	2	智恵子.みきえ.
葉牡丹がマラソン人を応援す	ぽんこ	2	満天.明日香.
命綱腰に結んで雪下し	みきお	1	みきえ.
廃船ののたり漂ひ鴨鳴けり	もとこ	1	豊実.
お下がりのかぼちゃ一塊冬至寺	なつき	1	えいじ.
冬ざれやダムの湖面に湯気立ちぬ	千鶴	1	きよえ.
近影を込めたる賀状仕上がりぬ	千鶴	1	えいいち.
冬至酒振る舞ふ神社大掃除	みきお	1	こすもす.

12月23日 (投句29名 選句29名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
囲まれて餅搗く人の杵高く	あひる	8	えいじ.豊実.みきえ.みきお.たか子.智恵子.千鶴.きよえ.
百歳の手塩の冬菜頂きぬ	きよえ	6	康子.満天.むべ.ぽんこ.千鶴.はく子.
クリスマスソングを唄ひ厨ごと	康子	4	せいじ.あひる.なおこ.うつぎ.
胸元に柚子を抱きて長湯せり	やよい	3	あひる.なつき.はく子.
お迎へといふは軽トラ枯野駅	みのる	3	愛正.もとこ.なおこ.
投薬の在庫数えて年用意	たか子	3	明日香.澄子.こすもす.
二本杖老婆の背押す師走風	愛正	3	かえる.康子.素秀.
過ぐる日々封じて閉じる古日記	素秀	2	山椒.こすもす.
襟立てて呼び鈴鳴らす配達夫	かえる	2	あられ.むべ.
風に散るラッパの音や社会鍋	もとこ	2	せいじ.たか子.
散紅葉敷きつめてゐる駐車場	なおこ	2	素秀.明日香.
露地奥の古りし銭湯枇杷の花	澄子	2	あられ.なつき.
ぼけ封じ寺の賑はふ師走晴	なつき	2	えいじ.もとこ.
唐突に到来したる冬将軍	はく子	1	満天.
ころころとふくら雀のお砂場に	智恵子	1	山椒.
下車すれば天満月の師走かな	愛正	1	たかを.
大声の掛声あびて年の市	満天	1	豊実.
鼻抜くる柚子の香りや冬至の湯	やよい	1	うつぎ.
ご近所の柚子を浮かべて至福の湯	康子	1	きよえ.
風呂吹や母の一品里の味	みきお	1	愛正.
冬晴れや白無垢姿富士の峰	山椒	1	えいいち.
条間に塵一つなき冬菜畑	せいじ	1	みきえ.
風呂沸かし待つ婆へ柚子届けたり	かえる	1	えいいち.
三老の柚子とみまがう後頭部	素秀	1	澄子.
ふうふうと息吹きかけて冬至粥	きよえ	1	みきお.
栴檀の実のさざめきて鳥盛る	えいじ	1	かえる.
粕汁に頬染める子あどけなき	みきお	1	智恵子.
池涸れてさらしたる底あおみどろ	みのる	1	ぽんこ.
カーブ行く車窓に深き冬陽射し	あひる	1	たかを.

12月22日 (投句24名 選句31名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
幼な子の言ひ訳を聞く懐手	みきお	10	えいじ.たかを.康子.あられ.素秀.ぽんこ.そうけい.澄子.うつぎ.やよい.
つむじ風追ひつ追はれつ落葉掃く	康子	7	愛正.満天.明日香.みきお.きよえ.なおこ.なつき.
怪人のやうに外套襟を立て	素秀	4	豊実.せいじ.千鶴.うつぎ.
玉あられ木匙ですくふ葛湯かな	なつき	4	素秀.はく子.そうけい.みきえ.
山脈の高低あらはかむり雪	素秀	3	せいじ.明日香.もとこ.
古都老舗千枚漬けの樽並ぶ	智恵子	3	満天.えいいち.むべ.
大玉も小玉も浮かべ柚子湯かな	澄子	3	豊実.康子.こすもす.
風花よ物干し場より妻の声	みのる	3	たか子.千鶴.えいいち.
着膨れに掛かる釣り針風の音	豊実	3	愛正.あられ.智恵子.
恙きこの一年の柚子湯かな	千鶴	3	山椒.澄子.みきえ.
見下せば谷戸を光らせ氷面鏡	むべ	2	なつき.やよい.
風花のしばし散らつく日暮かな	千鶴	2	あひる.智恵子.
口上の凛と艶やか冬晴るる	もとこ	2	たか子.山椒.
クリスマスツリーの下に靴ならぶ	なつき	2	たかを.なおこ.
ケアマネの訪問が機や煤払	せいじ	2	こすもす.むべ.
寒暁を待つ空藍を深めたり	むべ	1	かえる.
下校子の枯葉蹴散らし駆け足で	満天	1	えいじ.
爆音と無灯火バイク師走の夜	みきえ	1	きよえ.
アロハ着てハワイのサンタクリスマス	あひる	1	はく子.
隧道の名残りとどめて萩枯るる	かえる	1	ぽんこ.
仕舞ひ湯の柚子を湯桶でかき集む	かえる	1	もとこ.
蓋とれば鍋に踊るやおでん種	康子	1	みきお.
街の灯に白くぽつんと霙落つ	えいじ	1	かえる.
年末を孫の手を借り模様替え	たか子	1	あひる.

12月21日 (投句26名 選句28名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
サンタ帽被り尾を振る盲導犬	智恵子	7	えいじ.豊実.小袖.たかを.ぽんこ.きよえ.千鶴.
暮早し門扉に掛かるお裾分け	明日香	6	えいじ.たかを.もとこ.澄子.こすもす.うつぎ.
池涸れてパズルのやうなひび走る	みのる	5	せいじ.むべ.きよえ.あひる.明日香.
すれ違ひ会釈で済ます年の暮	千鶴	3	満天.愛正.澄子.
鴨川の華やぎ初むや都鳥	あひる	3	愛正.えいいち.明日香.
餅搗や手形付け合ふ児等の声	愛正	3	康子.せいじ.みきお.
巨船過ぐ揺れる大波牡蠣筏	みきお	3	かえる.智恵子.ぽんこ.
ぽんぽんと庭師の柚子を投げくれし	澄子	2	あひる.うつぎ.
林檎剥く窓際の手の柔らかき	澄子	2	山椒.あられ.
演説に茶々を入れをる虎落笛	かえる	2	康子.豊実.
冬帽子振って別れる跨線橋	みきお	2	山椒.あられ.
粉雪を最後に散らし聖夜の絵	たか子	2	素秀.なつき.
凍てついた頬を緩めるシチュウかな	かえる	2	智恵子.こすもす.
クリスマス電飾シャワーの並木道	康子	2	なつき.えいいち.
千枚漬ならべ明るき漬物屋	あひる	2	みきえ.もとこ.
通り過ぐ昼の電飾町師走	なつき	1	みきお.
禅院や机に燦と紅葉映ゆ	山椒	1	たか子.
アメ横に蟹値切る客勝利なす	智恵子	1	千鶴.
冬霧に視界失ふほどの朝	千鶴	1	たか子.
クリスマスローズに細きしべの影	むべ	1	素秀.
冬ざれや借り手の減りし貸し農園	せいじ	1	かえる.
凩や首がのけぞる曲り角	せいじ	1	みきえ.
電飾の芝生に混じる冬夕焼	そうけい	1	小袖.
冬雲を支へて暮れる高層ビル	満天	1	むべ.
冬空やドクターヘリの無事祈る	きよえ	1	満天.

12月20日 (投句24名 選句29名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
観劇の半券はさむ古日記	なつき	8	えいじ.みきえ.むべ.もとこ.こすもす.きよえ.たかを.うつぎ.
悴みて墨糸絞る宮大工	素秀	8	かえる.豊実.みきえ.小袖.みきお.こすもす.たかを.千鶴.
冬銀河抱かれ眠る狭の里	澄子	4	満天.あひる.みきお.なつき.
頬さすり美肌確かむ柚子湯かな	康子	4	愛正.えいいち.せいじ.そうけい.
越境の柚子を枝ごと貰ひ受く	かえる	3	たか子.もとこ.千鶴.
日記買ふまずは佳き日の予定書き	康子	3	智恵子.せいじ.明日香.
冬ざれや立札古ぶ邸跡	もとこ	3	かえる.山椒.ぽんこ.
柊の匂ひこぼれる石畳	みきお	3	愛正.智恵子.澄子.
しゃがれ声の洪水抜けて歳の市	素秀	2	山椒.むべ.
稚児の列足袋の足もと乱れなし	明日香	2	澄子.そうけい.
青空を突き刺すような冬の峰	山椒	2	素秀.なつき.
稜線の綾をほどくや冬の月	愛正	2	康子.きよえ.
数へ日のうどん啜るや讃岐道	千鶴	2	豊実.満天.
新築の戸建眩しき聖樹かな	こすもす	2	小袖.明日香.
涸れ池を分けてひとすじ細き川	みきえ	2	康子.ぽんこ.
鍋焼の沸騰の泡運び来る	豊実	1	えいじ.
枝振りのガッツポーズや冬芽出づ	きよえ	1	うつぎ.
暮れなずむ篝火越しの瀬戸の海	千鶴	1	たか子.
船上に蜜柑剥く手や瀬戸日和	みきお	1	素秀.
父の庭遺愛の柚子の棘痛し	むべ	1	あひる.
ひそと鳴る風鐸の音山颪	智恵子	1	えいいち.
ときおりに揉み手しながら賀状書く	えいじ	1	隆松.

12月19日 (投句23名 選句30名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
水涸れて映す物なき浮見堂	たか子	6	智恵子.千鶴.康子.ぽんこ.明日香.澄子.
遠山のこだまとなりて猟銃音	素秀	5	かえる.愛正.あひる.もとこ.澄子.
お渡りの武者行列や風冴ゆる	明日香	4	山椒.そうけい.千鶴.みきえ.
山裾に寺をいだきて山眠る	満天	3	康子.小袖.こすもす.
犬小屋に飾るリースとサンタ帽	智恵子	3	満天.なつき.うつぎ.
しなやかに風の意のまま枯芒	きよえ	3	たかを.みきお.えいいち.
十字架に冬三日月や礼拝堂	むべ	3	満天.せいじ.みきお.
境内に普請の響き年用意	澄子	3	あひる.智恵子.きよえ.
冬の海光集める忘れ潮	なつき	3	かえる.小袖.たか子.
追い風にサンタクロースバイク駆る	えいじ	3	もとこ.あられ.うつぎ.
鉄錆びて龍の蹲冬ざるる	もとこ	3	こすもす.むべ.明日香.
形見なる襟巻が吾のおしゃれなり	あひる	2	むべ.なつき.
流星を四つ数えてハイタッチ	智恵子	2	えいじ.あられ.
粕汁も一味違う地酒かな	こすもす	2	はく子.たか子.
玉砂利を踏む音凍る御寺かな	せいじ	2	ぽんこ.みきえ.
色のなきビルの華やぐ聖樹かな	康子	2	豊実.素秀.
サンタ待つサンタ服の子クリスマス	康子	2	えいじ.はく子.
落葉して影もはらりと塀なぞる	むべ	2	せいじ.素秀.
牡蠣漁の小舟漕ぎくる出で湯かな	千鶴	1	豊実.
年の暮旧里にまだら灯ともる	愛正	1	えいいち.
落葉掻き落葉の底の苔緑	豊実	1	たかを.
ジェット音低く響けり時雨雲	なつき	1	そうけい.
口ずさむ詩は紙屑に冬夕焼	素秀	1	山椒.
高齢化なりし山里山眠る	満天	1	愛正.
明石架橋二輪車止めの空っ風	千鶴	1	きよえ.

12月18日 (投句20名 選句29名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
干物焼く海より晴るる年の市	なつき	6	豊実.愛正.もとこ.山椒.あひる.澄子.
枯螳螂風に押されて歩みけり	みきお	6	かえる.愛正.明日香.こすもす.あひる.やよい.
寒空に足踏みしつつ待つ神事	明日香	5	えいじ.みきえ.えいいち.澄子.そうけい.
千代紙を折り込むごとし紅葉坂	康子	5	せいじ.千鶴.あられ.きよえ.なつき.
灯の滲む子ども食堂冬三日月	むべ	4	素秀.きよえ.小袖.そうけい.
神さぶや光芒射貫く冬木立	せいじ	4	みきえ.明日香.ぽんこ.やよい.
蜘蛛の囲にごめんごめんと煤払ひ	かえる	3	智恵子.たか子.小袖.
悴みし手にペン握り一句待つ	千鶴	3	康子.満天.こすもす.
日向ぼこ四肢のばす猫石垣に	ぽんこ	3	かえる.豊実.えいいち.
手に馴染む木彫りのお椀蕪汁	豊実	3	たか子.むべ.満天.
偕老の仲良きけんか着膨れて	あひる	2	智恵子.ぽんこ.
頰被りとって柏手祈る爺	みきお	2	えいじ.あられ.
青色の聖樹の飾り海のカフェ	なつき	2	素秀.むべ.
河渡る船か真冬の流星群	素秀	1	山椒.
目覚め良き香り豊かや室の蘭	智恵子	1	なつき.
木枯や空は青空白い雲	きよえ	1	たかを.
細枝の残り紅葉の鶏冠めく	かえる	1	うつぎ.
いくつもの言祝ぎ貰ひ柚子あかり	もとこ	1	千鶴.
生く物は海鼠ばかりの岬道	素秀	1	もとこ.
曲がりくるバスよく見ゆる枯木道	せいじ	1	うつぎ.
時告ぐるカリヨン冬夕焼けの街	あひる	1	康子.
ちび墨の磨る香たゆたふ年の暮	愛正	1	せいじ.
木枯しに残る木の葉も散りしきる	満天	1	たかを.

12月17日 (投句24名 選句27名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
風花や子馬の長き睫毛の上	智恵子	6	かえる.康子.ぽんこ.たか子.千鶴.きよえ.
冬帽子道を隔てて両手振る	満天	5	もとこ.せいじ.あひる.あられ.澄子.
空港のピアノ聖歌を弾き継げり	なつき	4	満天.むべ.うつぎ.きよえ.
追ひ焚きに仕舞湯柚子の香を増して	素秀	3	康子.あひる.千鶴.
瑠璃の窓磨きぬかれて年用意	澄子	3	えいじ.こすもす.えいいち.
飴配る降誕劇の天使役	むべ	3	智恵子.明日香.こすもす.
霜柱キック止まらぬ黄色帽	愛正	3	豊実.ぽんこ.たか子.
ひと待ちの赤きパンプス紅葉散る	えいじ	3	愛正.もとこ.みきお.
広縁の障子さ走る鳥の影	澄子	2	かえる.愛正.
夕日背に残る紅葉の浮かびけり	康子	2	たかを.むべ.
最終バス木の間の明かり冬の月	愛正	2	えいじ.そうけい.
運動部揃いのシャツの煤払い	もとこ	2	素秀.なつき.
電飾のツリー競演冬の街	たか子	2	みきえ.うつぎ.
風しまく小道に広ぐ枯葉かな	きよえ	1	澄子.
大根のメニュー色々夕餉かな	こすもす	1	満天.
裸木へ後光挿すごと日の昇る	かえる	1	みきえ.
夕散歩落葉の気配に振り返り	そうけい	1	たかを.
大声で歌ふシニアの師走かな	みきえ	1	素秀.
クリスマスツリーの下のギフトたち	せいじ	1	智恵子.
空想にふけるテラスの小春かな	智恵子	1	せいじ.
良き風に提灯揺れる煤はらひ	素秀	1	そうけい.
院長の手づくり数多クリスマス	満天	1	明日香.
森入れば落葉の海の静けさよ	えいいち	1	豊実.
句帳開く赤き紅葉の栞かな	ぽんこ	1	みきお.
青信号黒雲を追う枯木道	そうけい	1	あられ.
さんざめくモールを出れば冬の星	あひる	1	えいいち.
義士祭のパレード進む城址かな	千鶴	1	なつき.

12月16日 (投句22名 選句28名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
古書市に落葉払ひつ本選ぶ	澄子	11	えいじ.豊実.たかを.明日香.小袖.素秀.満天.むべ.もとこ.あひる.こすもす.
夕空をひと筆書きに寒雀	えいじ	5	せいじ.そうけい.素秀.きよえ.澄子.
青空と紅葉揉み合う水鏡	康子	5	たかを.あられ.あひる.たか子.うつぎ.
這い上がる亀の粘りや冬の池	ぽんこ	4	愛正.かえる.智恵子.もとこ.
団欒の映る聖樹の金の鈴	あひる	4	えいじ.きよえ.うつぎ.なつき.
海原に鳶天となる冬日和	なつき	3	えいいち.そうけい.小袖.
地下道に響く靴音冬の朝	豊実	3	愛正.みきえ.澄子.
大天守レンジャー隊の煤払ひ	みきえ	2	明日香.たか子.
自転車のサドルを濡らし時雨止む	せいじ	2	豊実.なつき.
箒目のゆるき流れに散り紅葉	もとこ	2	えいいち.千鶴.
道ゆずりチャリの子の礼冬ぬくし	きよえ	2	満天.みきお.
やれ集へそれ散れよとて寒雀	えいじ	2	康子.あられ.
太刀塚に古りし木太刀や鵙鋭声	なつき	1	千鶴.
横時雨頭を低くして漕ぐペダル	せいじ	1	かえる.
電飾の街見おろして冬北斗	あひる	1	みきえ.
青空へ桜の冬芽つんつんと	満天	1	みきお.
冬木立白亜に躍る影法師	智恵子	1	康子.
濃墨磨り心経写す師走かな	千鶴	1	せいじ.
冬日燦汲み置き水も温もれり	かえる	1	こすもす.
一面のビニルハウスへ冬日燦	明日香	1	智恵子.
無住寺の廊下飛び散る霰かな	愛正	1	ぽんこ.
寒空に流星群の飛び交へり	智恵子	1	ぽんこ.
冬蝶にいくども出逢ふ日和かな	澄子	1	むべ.

12月15日 (投句24名 選句28名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
空家となる実家に灯す聖樹かな	うつぎ	5	むべ.満天.えいいち.康子.きよえ.
二階から会話も弾む布団干し	そうけい	4	豊実.たかを.素秀.あひる.
冬うらら親子で遊ぶ糸電話	みきお	4	せいじ.小袖.ぽんこ.なつき.
呑気さを夫に褒められ日向ぼこ	あひる	4	康子.もとこ.たか子.はく子.
水陽炎映す池畔の石蕗の花	康子	3	豊実.せいじ.千鶴.
屋根隠し色とりどりに布団干す	うつぎ	3	えいじ.明日香.みきえ.
冬椿城下に遺る虎口かな	むべ	3	智恵子.あられ.澄子.
散り紅葉拾ひて句友少女めき	あひる	3	むべ.えいいち.こすもす.
箒目の残る境内冬の月	みきお	3	愛正.智恵子.みきえ.
写経所の張り詰めし黙冬ぬくし	千鶴	2	満天.そうけい.
落葉してメタセコイアは天を突く	満天	2	明日香.千鶴.
電車過ぐ夕陽に染まる浮寝鳥	なつき	2	そうけい.みきお.
水鏡して雪吊りの綱たゆたふ	康子	2	素秀.なつき.
朝日さす束の間に映ゆ霜の花	智恵子	2	えいじ.ぽんこ.
とば口の席で短くおでん酒	せいじ	2	もとこ.澄子.
集落へ下る山路や冬日和	愛正	1	小袖.
落葉して空の面積広がりぬ	もとこ	1	かえる.
今回で〆と決めをり賀状書く	きよえ	1	こすもす.
大小の鳥入り乱る残り柿	かえる	1	愛正.
枯れ蔦の車道超されず紙垂のごと	明日香	1	かえる.
しんがりの椋鳥は孤高の空かける	えいじ	1	たかを.
サークルは山羊の描きし夕冬野	素秀	1	みきお.
柚子浮かぶ小さき湯船や美肌の湯	きよえ	1	あられ.
葉牡丹も入れる寄植え自分流	こすもす	1	きよえ.
只今と帰れば無音部屋小春	たか子	1	あひる.
わた千切り聖樹に降らす雪楽し	智恵子	1	はく子.
短日や再配たのむ宅急便	なつき	1	たか子.

12月14日 (投句22名 選句27名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
町師走はずれくじ散る抽選場	なつき	5	愛正.せいじ.たかを.むべ.きよえ.
小夜時雨逃げ込むやうに梯子酒	豊実	4	智恵子.康子.もとこ.なつき.
散紅葉古木の苔にとどまれり	康子	3	ぽんこ.あひる.えいいち.
古暦腰張とせし茶室かな	むべ	3	かえる.みきえ.ぽんこ.
前山の低き入日や枯木立	素秀	3	豊実.澄子.うつぎ.
思いがけぬ芯の熱さよ蕪汁	素秀	3	あひる.むべ.うつぎ.
登校子あしあと刻む霜柱	かえる	3	満天.えいじ.そうけい.
声枯れてお開きになり年忘れ	なつき	3	えいじ.たか子.みきお.
微かなる伊予の訛やおでん酒	澄子	3	康子.そうけい.みきお.
朱の橋の向こふは紅葉散り敷かれ	もとこ	2	明日香.えいいち.
実南天雨滴纏ひて真珠光	満天	2	みきえ.せいじ.
弟と遺品片づけ日短	むべ	2	なつき.澄子.
集落へ下る山路や冬日和	愛正	2	豊実.素秀.
何気ない会話にほぐれ暮早し	たか子	2	素秀.はく子.
もみぢ影楊貴妃観音伏し目がち	うつぎ	2	愛正.もとこ.
青き空冬の江ノ島鳶の笛	智恵子	1	たかを.
東塔の千三百年寺小春	千鶴	1	はく子.
舟ベりに並ぶ河鵜の黒光り	みきお	1	千鶴.
波止の船はや灯の点る暮早し	きよえ	1	かえる.
表年裏年ありて柚子撓わ	澄子	1	明日香.
山裾の波打つ小道霜柱	愛正	1	きよえ.
東天に昇るオリオン神々し	智恵子	1	こすもす.
墨香る写経道場冬の奈良	千鶴	1	こすもす.
中座する句会や後は忘年会	こすもす	1	智恵子.
十人を寡黙としたる庭紅葉	あひる	1	たか子.
青空に幾何学模様の枯枝かな	康子	1	満天.
青空に膨らむ冬芽ひろごる枝	ぽんこ	1	千鶴.

12月13日 (投句23名 選句27名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
寝込む子の粥へ落とせる寒卵	かえる	9	智恵子.素秀.あられ.ぽんこ.たかを.千鶴.きよえ.澄子.やよい.
着ぶくれて上るゴンドラ窓掃除	やよい	5	愛正.豊実.あひる.満天.みきお.
しろがねの飛沫散らすや冬の滝	明日香	3	かえる.せいじ.千鶴.
大声は巻舌めきし寒鴉	こすもす	3	あひる.素秀.あられ.
稚児地蔵寝転ぶ苔に降る紅葉	智恵子	3	ぽんこ.こすもす.たかを.
顔見世に華やぎ添へる舞妓衆	千鶴	3	智恵子.うつぎ.明日香.
うたた寝の猫の背長く冬ぬくし	素秀	3	みきえ.うつぎ.もとこ.
大枯れ木空に拳を突き上げし	たか子	2	小袖.やよい.
冬日差し縁に置かれし文机	愛正	2	もとこ.むべ.
冬凪の波止に動かぬ浮きとゐる	素秀	2	かえる.康子.
禅寺の庭のほうき目散紅葉	ぽんこ	2	康子.みきお.
枯草や黄金に光る雨上がり	きよえ	2	そうけい.むべ.
念願の児の授かりし小春の報	そうけい	2	小袖.きよえ.
三山の一山かかる時雨雲	愛正	2	たか子.なつき.
大巌に彫られし不動冬の滝	明日香	1	たか子.
チンチンと湯気立つ薬罐囲炉裏かな	みきお	1	愛正.
手のひらに転がしてみる竜の玉	満天	1	澄子.
昨夜雨に貼り絵のごとき散紅葉	みきえ	1	なつき.
枯枝にダイヤモンドの雨雫	康子	1	せいじ.
大鉢のポインセチアの焚火めく	あひる	1	満天.
とりどりの紅葉貼り付くベンチかな	康子	1	こすもす.
短日の老の片づけはかどらぬ	満天	1	明日香.
顔見世や堂々の見得新之助	千鶴	1	みきえ.
おでん屋の隣は靴の修繕屋	せいじ	1	豊実.
里山の雨雲まとひ眠るごと	きよえ	1	そうけい.

12月12日 (投句22名 選句26名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
足つぼに当たる小石や霜の朝	なつき	4	豊実.素秀.そうけい.むべ.
亡き夫のスマホ解約年惜しむ	たか子	4	せいじ.たかを.こすもす.きよえ.
手水鉢さっと水浴ぶ冬雀	きよえ	4	かえる.愛正.せいじ.なつき.
旅小春蔵の瓦に水の文字	むべ	4	豊実.みきえ.ぽんこ.明日香.
加湿器の吠えて小さな間欠泉	素秀	3	あられ.むべ.澄子.
風花の舞ふ湯の里下駄の音	智恵子	3	康子.たかを.みきお.
巡り来る一陽来福待つ心	みきお	3	満天.たか子.澄子.
おでん酒みんな昔のままの顔	せいじ	3	たか子.千鶴.なつき.
街中がキラキラとして十二月	澄子	3	こすもす.明日香.やよい.
トンネルを抜けてバス停冬日和	愛正	2	あられ.みきお.
冬晴や眠るおでこの赤き印	豊実	2	あひる.はく子.
聖樹の枝しなる陶器のサンタかな	あひる	2	素秀.千鶴.
霜解けの畔にひょろつく青菜採り	愛正	2	かえる.そうけい.
散り紅葉追ひて三軒隣まで	みきえ	2	あひる.はく子.
親父ギャグ飛び交ふシニア忘年会	せいじ	2	智恵子.きよえ.
収穫を待つ蜜柑山籠数多	智恵子	1	康子.
来し方や我を肯ひ日向ぼこ	澄子	1	やよい.
小春日や菜畑見廻る畑の媼	そうけい	1	満天.
冬椿一輪挿して京老舗	もとこ	1	愛正.
冬紅葉ハルカス指呼の茶臼山	はく子	1	もとこ.
廃屋の庭に真紅の冬薔薇	みきえ	1	ぽんこ.
仁王像ライトアップや暮早し	ぽんこ	1	智恵子.
小流れの畝り煌めく冬日燦	康子	1	みきえ.
寒の富士車窓をおおふ裾野かな	むべ	1	もとこ.

12月11日 (投句22名 選句26名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
菰巻きの蘇轍てんでに傾けり	康子	9	かえる.豊実.智恵子.小袖.みきえ.あひる.うつぎ.明日香.澄子.
母見つけ天使手を振る聖夜劇	なつき	6	智恵子.むべ.素秀.明日香.もとこ.はく子.
電飾の木木を連ねて町師走	満天	4	みきお.こすもす.なつき.もとこ.
ポケットに団栗いっぱい子の帰る	みきお	3	たかを.愛正.あられ.
訪ひくれし牧師に熱き大根汁	あひる	3	みきえ.たか子.きよえ.
蒟蒻の手作り体験冬愉し	こすもす	2	みきお.はく子.
コラボするモダンアートと古襖	せいじ	2	たかを.こすもす.
五つ六つ鳥へ残して柿仕舞い	かえる	2	たか子.きよえ.
マスクして市民課の人高飛車に	たか子	2	豊実.素秀.
海苔粗朶や遠淡海の日にあをし	むべ	2	せいじ.小袖.
うたたねの膝に季寄せや冬日向	もとこ	2	せいじ.澄子.
熱きもの六腑に拡ぐ牡丹鍋	素秀	2	かえる.満天.
里時雨る山間白き浅間山	愛正	1	康子.
乾いたか確かめ難し冷たくて	明日香	1	あられ.
夕日背に穂絮きらめく枯すすき	康子	1	満天.
聖夜劇ポニーテールに星つけて	なつき	1	うつぎ.
紅葉寺背山は銀杏の金屏風	うつぎ	1	康子.
裸木を透かして尾根の燃えるごと	智恵子	1	ぽんこ.
音立てて欅並木の枯葉落つ	豊実	1	あひる.
見納めし冬富士望む跨線橋	澄子	1	そうけい.
蒟蒻練る店主のつなぎ粉まみれ	むべ	1	ぽんこ.
鰤しゃぶの出汁に開きて花のごと	素秀	1	なつき.
炊き出しの非常食食む園小春	みきえ	1	そうけい.

12月10日 (投句20名 選句25名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
白障子閉めて独りを諾へり	うつぎ	6	あひる.康子.もとこ.素秀.澄子.明日香.
日記果つ佳き日の頁を読み返し	康子	5	あひる.なつき.あられ.きよえ.ぽんこ.
小春日に伸ぶ職安の最後尾	なつき	3	かえる.素秀.こすもす.
師を囲み皆笑顔かな年忘れ	もとこ	3	小袖.むべ.智恵子.
同じ名の猫は三代漱石忌	素秀	3	もとこ.たか子.みきお.
四温晴にわか園丁ひもすがら	澄子	3	かえる.明日香.はく子.
朝風に紅葉且散る外湯かな	むべ	3	愛正.せいじ.ぽんこ.
窓拭きて雲一朶なき小春空	康子	3	豊実.満天.智恵子.
寒禽の空を貫く鋭声かな	澄子	2	せいじ.みきえ.
休日の茶屋の庭園冬紅葉	きよえ	2	たかを.みきお.
暮早し門灯早し両隣	満天	2	たかを.こすもす.
窯場跡灯せり小さき木守柿	なつき	2	あられ.はく子.
静謐な池面に万の紅葉散る	せいじ	2	小袖.うつぎ.
千六本ぐつぐつ煮えて大根汁	あひる	2	きよえ.みきえ.
もみぢ葉の靴脱ぎ石に鎮座して	せいじ	1	康子.
飛び立つや枯れ葉巻き上ぐ群雀	愛正	1	満天.
村時雨持ち去る烏の塒入り	愛正	1	澄子.
太陽光パネル突き抜け草枯れる	明日香	1	うつぎ.
街明かり潤むネオンや冬時雨	智恵子	1	豊実.
門先に暦配りのセールスマン	みきえ	1	なつき.
誉められし老母の歌声クリスマス	あひる	1	たか子.
今年こそ再会願ふ賀状書く	満天	1	むべ.

12月9日 (投句20名 選句23名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
綱腰に螺髪を磨く年の暮れ	智恵子	6	かえる.みきえ.あられ.ぽんこ.明日香.小袖.
大枯木千手の間より射す夕日	康子	5	智恵子.愛正.満天.素秀.うつぎ.
はふはふと梵字頂く大根焚	もとこ	4	みきえ.素秀.きよえ.うつぎ.
足元も温めて京のおもてなし	たか子	4	むべ.満天.あひる.こすもす.
今年また悲喜こもごもの日記果つ	みきお	3	もとこ.たか子.なつき.
小流れの谷底隠す渓紅葉	ぽんこ	3	愛正.たかを.せいじ.
冬うらら哲学者めく山羊の髭	素秀	3	かえる.康子.澄子.
木守柿はや落日の生家かな	澄子	2	あられ.なつき.
冬枯れの寺苑に何も動かざる	たか子	2	豊実.明日香.
軒氷柱落として帰る下校の子	みきお	2	たか子.小袖.
弘法の肩に頭に散紅葉	せいじ	2	豊実.たかを.
嵩高き落葉をまとひ古墳山	なつき	2	もとこ.澄子.
青空は瑕疵ひとつ無き開戦日	素秀	1	きよえ.
楽しげに聞こゆ笹鳴き詣で道	うつぎ	1	あひる.
パンを売る店頭二鉢ポインセチア	満天	1	こすもす.
街路灯まだ覚めやらず冬の霧	うつぎ	1	智恵子.
頂に小さき天守や紅葉山	むべ	1	せいじ.
白バイに切られし切符銀杏散る	豊実	1	むべ.
朝日子に湯気立つ檜皮葺の破風	せいじ	1	康子.
靴底の踏む音響く霜柱	愛正	1	ぽんこ.

12月8日 (投句18名 選句24名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
綿虫や迷うて歩く京の辻	たか子	7	満天.あひる.はく子.素秀.もとこ.澄子.うつぎ.
土つぶを頭に乗する霜柱	愛正	5	豊実.せいじ.康子.ぽんこ.うつぎ.
お歳暮や子からふるさと返礼品	なつき	3	智恵子.みきお.きよえ.
凍み豆腐軒にカラカラ食べ頃と	智恵子	3	康子.明日香.たか子.
根上がりに落葉の積もる遊歩道	ぽんこ	3	みきえ.むべ.こすもす.
散紅葉関守石を虜とす	せいじ	3	あられ.満天.はく子.
下校子の足に掃かれし落葉道	康子	3	豊実.みきえ.せいじ.
住職のバイクの幌に積む紅葉	せいじ	3	かえる.たかを.明日香.
参道は降り坂なり冬紅葉	たか子	3	あひる.もとこ.澄子.
寝転べば空いっぱいのいわし雲	かえる	2	みきお.たかを.
銀杏ふぶき太閤通り席巻す	むべ	2	愛正.たか子.
虫よりも烏大敵ブロッコリー	明日香	2	智恵子.きよえ.
隅つこに落書き見つけ白襖	素秀	2	あられ.こすもす.
せいいつぱい日を集めんと霜の菊	素秀	1	むべ.
黒づくめなりし人影路地師走	なつき	1	素秀.
公園の闇に聖樹点火式	智恵子	1	なつき.
小春日や幼子そろり鯉の池	きよえ	1	ぽんこ.
落し物らしき手袋切株に	こすもす	1	かえる.
ためらいて三年日記を買ひにけり	みきお	1	なつき.

12月7日 (投句19名 選句24名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
下町の湯屋に垂れ幕冬至風呂	智恵子	6	かえる.満天.あひる.もとこ.きよえ.うつぎ.
日差し背に両手に余る蒲団干す	きよえ	4	智恵子.みきお.あひる.わかば.
目に紅葉舌に懐石贅きわむ	たか子	4	こすもす.ぽんこ.むべ.澄子.
黄落の窓に見惚れる会議かな	むべ	4	かえる.愛正.たかを.素秀.
山眠る杣のけむりを燻らせて	あひる	4	康子.せいじ.明日香.小袖.
赤土の斜面波打つ霜柱	愛正	3	みきえ.あられ.明日香.
鵙鳴いて陵の森揺らしけり	なつき	2	むべ.澄子.
紅葉積む苔むす石の灯籠に	せいじ	2	たか子.小袖.
夜空へと突き抜く銀杏黄葉かな	康子	2	満天.わかば.
山霧へ溶け込んでゆく杣けむり	あひる	2	ぽんこ.たか子.
散紅葉両手で包むマグカップ	豊実	2	愛正.あられ.
お庭までお香漂ふ紅葉寺	せいじ	2	康子.こすもす.
月凍てるギター音色の沁みるファド	素秀	2	せいじ.なつき.
冬の草枯るる間の間にとどむ青	きよえ	1	素秀.
観覧車を冠る黄金の大銀杏	かえる	1	たかを.
笹掻きの牛蒡を曝す寒厨	澄子	1	みきお.
一つとして同じ色無き紅葉かな	こすもす	1	きよえ.
雪晴れや黒土現わる畑かな	みきお	1	みきえ.
合唱の耳に柔らか子の聖歌	素秀	1	智恵子.
呆け封じ熱き祈願や紅葉寺	ぽんこ	1	もとこ.
瑠璃窓に聖樹ひろごる予約席	澄子	1	うつぎ.
綾取りで遊ぶ姉妹や小春かな	みきお	1	なつき.

12月6日 (投句21名 選句22名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
笹鳴や刻の失せたる丁目石	うつぎ	6	豊実.愛正.たかを.きよえ.たか子.なつき.
旅人に振る舞い酒や里神楽	もとこ	5	豊実.みきえ.明日香.きよえ.ぽんこ.
川音も静かになりて山眠る	満天	4	むべ.澄子.こすもす.なつき.
天窓を居場所とさだめ冬の蝿	素秀	4	愛正.せいじ.あひる.もとこ.
落葉して見ゆる欅の力瘤	むべ	4	満天.素秀.澄子.こすもす.
日に透けて楓紅葉の万華鏡	せいじ	2	智恵子.康子.
かわらけの奈落へ消ゆる紅葉谷	智恵子	2	あひる.たか子.
土手沿いの起伏のオブジェ枯葎	愛正	1	素秀.
手袋の差図にクレーン踊るやう	素秀	1	せいじ.
下校児の突っ切り走る冬田かな	千鶴	1	みきお.
十二月菜を食む虫の元気かな	明日香	1	もとこ.
来し方を名残り惜しむや古暦	みきお	1	たかを.
エコバッグ葉付き大根を持て余す	康子	1	あられ.
片時雨遺されし者忌を修す	たか子	1	ぽんこ.
散り敷きて靴裏すべる銀杏落葉	ぽんこ	1	あられ.
遊ぶやに何処か楽しげ笹子鳴く	うつぎ	1	むべ.
人に馴れ都会に馴染む浮寝鳥	澄子	1	明日香.
白樺の黄落注ぐ森小径	智恵子	1	康子.
燭ともす信徒の所作や待降節	むべ	1	智恵子.
あつあつの鯛焼き抱へ急ぎ足	康子	1	みきえ.
かみ合わぬ夫との会話冬籠り	明日香	1	かえる.
ババ引きてポーカーフェイス置炬燵	なつき	1	みきお.
この先の道閉ざされて山眠る	澄子	1	満天.
又一人喪中の知らせ冬の星	満天	1	かえる.

12月5日 (投句23名 選句25名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
電飾の虜となる木クリスマス	康子	6	豊実.満天.みきえ.明日香.なつき.智恵子.
糊の香に猫の躊躇ふ白障子	素秀	5	かえる.せいじ.もとこ.こすもす.うつぎ.
白菊の見事を買ふて忌明け待つ	たか子	5	むべ.康子.もとこ.明日香.千鶴.
膝掛けを肩にも掛けて車椅子	智恵子	5	康子.あられ.みきえ.たかを.きよえ.
落日の色に染まりし酉の市	澄子	4	かえる.たかを.みきお.あひる.
この辺り生家ありけり冬木立	みきお	3	ぽんこ.たか子.澄子.
水底の紅き葉揺るる冬日差し	明日香	2	愛正.素秀.
吊るし柿良き色選りてお裾分け	みきえ	2	うつぎ.はく子.
雲間より冬突き抜ける日矢太し	明日香	2	愛正.千鶴.
薔薇色に入日照らせる冬の雲	むべ	2	素秀.みきお.
居並びて人形供養冬日向	もとこ	2	たか子.澄子.
磨かれし銀の燭台冬支度	澄子	2	なつき.智恵子.
寒夕焼長き汽笛に染む運河	智恵子	2	ぽんこ.きよえ.
初氷リード引つ張る仔犬かな	なつき	1	はく子.
鷺覗く池面に木の葉降りやまず	きよえ	1	むべ.
日に透けて葉脈しるき紅葉かな	せいじ	1	こすもす.
敷石に飛び散る霰奥の院	愛正	1	あひる.
少年等チャリ転がして冬野かな	きよえ	1	せいじ.
鉄塔へ光を溢す冬満月	かえる	1	満天.
冷えますと懐炉持たさる老舗宿	たか子	1	あられ.
張り出して殊に色づく花水木	せいじ	1	豊実.

12月4日 (投句24名 選句25名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
片時雨日矢いく筋も三輪の山	明日香	6	せいじ.むべ.なつき.みきお.みきえ.澄子.
傾ぎ癖なほす師走のカレンダー	なつき	6	満天.小袖.康子.素秀.明日香.みきえ.
路地裏にパトカー列ぬ寒の黙	澄子	3	豊実.たかを.あられ.
誰そ彼や影絵狐の鳴く障子	素秀	3	かえる.明日香.もとこ.
水槽に匂ひの揺らぐ新豆腐	みきお	3	かえる.愛正.きよえ.
投げ売りのお湯呑み染めて冬入り日	澄子	3	せいじ.愛正.あひる.
熱燗呑むうつらうつらの生返事	かえる	3	康子.たか子.こすもす.
山の端の雲染めにけり冬朝日	隆松	2	むべ.みきお.
黄を極め南さがりの石蕗の花	むべ	2	素秀.千鶴.
当選と吾の名師走の夕刊紙	みきえ	2	ぽんこ.あられ.
着膨れて明日の予定の何もなし	うつぎ	2	なつき.たか子.
セーターを編むささくれの母の指	みきお	2	智恵子.ぽんこ.
冬の風ゆったり過ぎて蕪村の碑	たか子	2	たかを.千鶴.
落葉して公園の空青空に	満天	1	こすもす.
本殿に燈明ともり神環る	ぽんこ	1	智恵子.
不動さま水浴び銀杏落葉浴び	もとこ	1	はく子.
着膨れてさらに一枚羽織りけり	きよえ	1	満天.
土くれを啄む鴉一時雨	愛正	1	澄子.
闇鍋のごとき夫婦の半世紀	明日香	1	はく子.
尼寺の竈湯気噴く栗ご飯	智恵子	1	あひる.
風止みし時のありての掃く落葉	満天	1	きよえ.
朝刊来遠山ははや雪化粧	こすもす	1	豊実.
板張りの長き廊下の箱みかん	豊実	1	もとこ.
天地返し土くれごとの陰日向	愛正	1	小袖.

12月3日 (投句24名 選句26名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
夕刻の風尖りゆく師走かな	澄子	9	愛正.満天.かえる.はく子.たか子.みきお.小袖.うつぎ.なつき.
鬼貫の墓石崩れて冬ざるる	たか子	7	かえる.明日香.あひる.ぽんこ.小袖.澄子.きよえ.
鴨遊ぶ高層ビルの映る池	はく子	5	隆松.みきえ.千鶴.うつぎ.なつき.
琴線のごと雪吊りの鳴りさうな	康子	5	素秀.明日香.むべ.千鶴.こすもす.
冬コーヒ語るは楽し聞くも好し	たかを	4	愛正.康子.もとこ.澄子.
ひと叢の家族のごとき枯れ芒	明日香	2	たかを.むべ.
冬帽の池畔をめぐる吟行子	むべ	2	満天.康子.
歌声はギター一本駅師走	なつき	2	せいじ.こすもす.
天と地と銀杏黄葉や並木道	康子	2	素秀.はく子.
鴉群れ蕾のごとく大枯木	素秀	2	智恵子.もとこ.
漂ひて潮満つ河口浮寝鳥	きよえ	1	みきお.
改築記念の紅白餅や冬桜	こすもす	1	智恵子.
馬小屋と人形並べ降誕祭	あひる	1	きよえ.
鋤焼が女子会メニュー年一度	こすもす	1	豊実.
満ち潮に歩道消ゆ浜冬茜	きよえ	1	みきえ.
クリスマスリース仕上げの鈴光る	あひる	1	せいじ.
するすると雲にとけゆく冬の霧	明日香	1	たかを.
大樹より声を落とせし寒鴉	むべ	1	たか子.
待降の早くも届くシュトーレン	せいじ	1	あひる.
足遅し霜の解けたる登り坂	愛正	1	ぽんこ.
朝霜に光る廃線遠き日々	智恵子	1	豊実.

12月2日 (投句22名 選句27名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
剪定の枝に迷ひて空鋏	澄子	7	あられ.素秀.豊実.たか子.はく子.小袖.うつぎ.
寒椿黙す蕾の固さかな	澄子	6	かえる.愛正.あられ.たか子.なつき.千鶴.
夕日背に切絵のごとき枯木かな	康子	4	隆松.せいじ.智恵子.きよえ.
知恵の輪に遊ばれてをる炬燵守	うつぎ	3	愛正.素秀.澄子.
初雪の山に朝日の影柔し	隆松	3	かえる.康子.明日香.
白菜のお尻の並ぶ無人店	康子	3	たかを.あひる.ぽんこ.
独り身を気遣う主治医師走来る	たか子	3	あひる.そうけい.なつき.
藁囲ひ覗く深紅の寒牡丹	智恵子	2	満天.みきえ.
石蕗の照らす足もと石畳	みきお	2	みきえ.こすもす.
京師走七十二个の勘亭流	せいじ	2	小袖.澄子.
ゆらゆらら浄土へゆくか冬の蝶	明日香	2	たかを.千鶴.
霜柱ずり落つ路頭獣道	愛正	2	智恵子.ぽんこ.
流行語大賞アレに沸く師走	千鶴	1	きよえ.
色変えぬ松を要の慶沢園	はく子	1	明日香.
また明日も庭師黙して落葉掃く	かえる	1	もとこ.
シークワーサー届きて急遽鍋料理	あひる	1	せいじ.
糸杉を束ねしリボン待降節	むべ	1	隆松.
寒風に背負ふランドセル重しめき	みきえ	1	うつぎ.
冬空を映す小川に鯉の口	満天	1	豊実.
少しだけ残す柴栗山の鳥	みきお	1	むべ.
菜畑に入ればザクザク霜の音	愛正	1	こすもす.
仕留めたる熊に一礼又鬼かな	みきえ	1	もとこ.
冴ゆる気の吹抜け降りるしのび足	素秀	1	そうけい.
年の瀬や歌舞伎役者が勢揃ひ	せいじ	1	満天.
作り過ぎけふもあしたもおでんかな	たか子	1	はく子.
待ちきれぬ聖夜の菓子を薄く切る	あひる	1	むべ.
野水仙岬の灯台覆ひけり	智恵子	1	康子.

12月1日 (投句24名 選句25名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
にじり口揃える草履石蕗の花	智恵子	9	千鶴.満天.ぽんこ.こすもす.うつぎ.みきお.きよえ.むべ.はく子.
寒風や角曲がるまで見送れり	なつき	4	愛正.たかを.もとこ.うつぎ.
今昔の大和三山大根干し	明日香	3	千鶴.ぽんこ.小袖.
車椅子の母の影あり冬田道	せいじ	3	かえる.あひる.みきお.
冬耕の鴉つき来る長き畝	素秀	3	智恵子.小袖.澄子.
クリスマスリースの檜葉の香の清し	あひる	3	せいじ.あられ.はく子.
天日干し白菜に埋む曲がり縁	智恵子	3	みきえ.隆松.あひる.
冬薔薇や五人がかりの蔓手入	むべ	2	みきえ.明日香.
テニスコートネット目掛けて落ち葉降る	たか子	1	満天.
登校の子に振る両手冬の朝	みきえ	1	素秀.
バッサリと伐られし銀杏空青し	満天	1	もとこ.
灯を消すや闇を友とし長き夜	たかを	1	かえる.
八重洲口再開発のビル寒し	ぽんこ	1	智恵子.
風あそぶ銀杏黄葉のホバリング	康子	1	せいじ.
山茶花のはや咲いてをり散ってをり	うつぎ	1	きよえ.
お念仏の前のコーラス報恩講	こすもす	1	たか子.
ストーブを独り占めの子婆の厨	そうけい	1	康子.
クリスマスリース牧師がドアに掛け	あひる	1	むべ.
凩の冷気纏ひて帰り来し	澄子	1	あられ.
吊るし柿ぶつからぬやふ配置換へ	みきえ	1	明日香.
雑踏にたがふ焚火の匂ひかな	澄子	1	素秀.
束の間の夕日に映える冬紅葉	みきお	1	こすもす.
落葉吾を追ひ越しゆくや風の道	むべ	1	愛正.
夫獲りて炊く猪鍋の懐かしき	千鶴	1	たかを.
雲一つ小春日和を歩きけり	明日香	1	澄子.
向かひ風掻き分け進む冬木道	みきお	1	たか子.
遊ぶ児の程よき風や散紅葉	きよえ	1	康子.

11月30日 (投句23名 選句27名)

作品	作者	点数	この句を選んだ人
三寒の風にも慣れて畑に居る	千鶴	6	せいじ.満天.小袖.なつき.あひる.うつぎ.
湯気立ちぬ五席一坪餃子店	澄子	5	愛正.豊実.みきえ.かえる.もとこ.
手を繋ぎ孫とかけっこ冬ぬくし	康子	4	智恵子.満天.こすもす.むべ.
夜泣きの子冬の厨の常夜灯	豊実	4	あひる.たか子.澄子.きよえ.
皸の子や音読の威勢良し	みきえ	4	康子.豊実.あられ.素秀.
鮟鱇を吊し一礼捌く厨	智恵子	3	みきえ.なつき.千鶴.
霜月の果つる日の土柔らかし	千鶴	3	もとこ.たか子.澄子.
完成のお手玉は二個置炬燵	こすもす	3	愛正.素秀.明日香.
被せられ丸ビル解体冬ざるる	たか子	2	たかを.うつぎ.
ドーム背に寒中水泳日本晴	みきお	2	康子.ぽんこ.
河川敷かご編むごとき枯葎	愛正	2	せいじ.智恵子.
霜焼の子の手を包む大きな掌	みきお	2	かえる.きよえ.
星月夜庇の影のくっきりと	そうけい	2	みきお.むべ.
冬柿の熟れて捥ぐ人なき庭に	満天	1	ぽんこ.
綿虫や友の建てたる生前墓	なつき	1	明日香.
下戸なるは口惜しきかも牡丹鍋	澄子	1	千鶴.
冬霧がすつぽり覆ふ小盆地	せいじ	1	こすもす.
我が影をなぞりてい行く町小春	せいじ	1	そうけい.
道端の軒を借りるや片時雨	愛正	1	みきお.
冬枯れの池畔に髪の逆立てり	みきえ	1	たかを.
襟巻は父より借りて出張す	あひる	1	やよい.
寒鯉の群れて橋桁同化せり	智恵子	1	そうけい.
三山を背山に溢る冬紅葉	もとこ	1	小袖.
思ひがけぬ所からまた鳰の首	うつぎ	1	やよい.
うたた寝に声掛けられぬ古炬燵	素秀	1	あられ.

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