俳句を始めたい方への入門ガイド

俳句に必要なもの

必要なものは最低次の三つです。

  1. 書くもの:鉛筆、ボールペンなど。
  2. 句帳:小型のノート。古い手帳とかでも活用できます。
  3. 国語辞典:5万語くらいで小型の物。

歳時記は慌てて買う必要はなく、ゆっくり検討して選ばれたらいいです。

季語とは…

俳句は季感が命ですから、季感のない句(無季)は俳句とは呼べません。

季感というのは季節を感じさせる措辞のことで、春・夏・秋・冬、一月・二月…など明確に季節が感じられることばのことです。

野菜・果物などは温室やバイオ技術で生産され、魚類なども養殖ものが流通する現代では昔ながらの季節感が失われつつあります。

けれども俳句では、自然環境で収穫できる一番美味しいとされる「旬」という概念が季語として扱われるのです。

歳時記は季語を調べるのに便利です。その季語を使って作られた例句も掲載されているので作句の指針にもなります。

もし俳句生活が続けられそうなら一冊は備えられると便利です。

どんな歳時記を買えばいいの?

携帯に便利な小型サイズから写真や例句がたくさん載っている大型版までいろんな種類の歳時記があります。

どんな歳時記を買えばいいの?

無責任に聞こえるかもしれませんがとりあえずは何でもいいです。誰かのお古がいただけるならそれで十分です。

新しいのが買いたいという人は Amazonの検索情報を参考にして下さい。

学びが進めばどんな歳時記が自分に合っているのかも分かるようになります。

歳時記は編者によって師系が異なるので例句の傾向も違います。

俳句を続けていれば、そのうちほとんどの歳時記が手元に揃うでしょう。

※みのるがメインに使っているもの

伝統俳句と現代俳句の違い

俳句のジャンルには 伝統俳句現代俳句 とがあります。

日本伝統俳句協会現代俳句協会

は伝統俳句です。

伝統俳句は有季定型といって必ず一句の中に季語を必要とし、調子も五・七・五に整え、原則として歴史的仮名遣いを用います。

対象は花鳥諷詠を基本とし観念や理屈、独りよがりの主観句を戒めます。

花鳥諷詠とは、四季の移り変わりによる自然界や人間界のあらゆる現象をそのまま客観的に詠もうとする俳句理念のことをいいます。

一方そうした制約を嫌いもっと自由に詠みたいという思想で派生的に生まれたのが現代俳句です。

現代俳句は、題材にも十七文字にも制約されず全く自由です。

無季俳句までも許容されているようで何でもあり…の感があります。

本来伝統俳句が本家、現代俳句は分家のような図式でしたが、時代の変化と共にいまは主客逆転しています。

華道、茶道、陶芸などの伝統芸術を極めるには実作修練の積み重ねが必要ですが伝統俳句もまた例外ではありません。

決して現代俳句を否定するものではありませんが、伝統俳句の理念を理解しないで、季語があり17文字で詠みさえすれば俳句だと勘違いして安易に現代俳句に走る人が多いのは現実です。

ちなみにテレビ番組「プレバト」の夏井いつき氏は黒田桃子を師系とする現代俳句の出身です。よって伝統俳句の とは理念が異なります。

もしあなたがプレバト風の俳句が学びたい…というのであれば、ここはその場所ではありません。

温故知新 》という言葉があります。歴史に培われた古き伝統を尊重しつつ、そこから新しさを追求していく。この伝統俳句の姿勢に私は魅力と喜びを感じるのです。

自由であれば何でも新しいとし、季語のないものまでも俳句と呼ぶことには大いに抵抗があります。

まずは作ってみましょう

知識を詰め込む必要はありません。作りながら覚えていけばいいのです。

伝統俳句のお約束

最低限守るべき約束は次の二つです。

  1. 季語を一つだけ入れる(有季)
  2. 五・七・五でつくる(定形)

それは言われなくても判っている!

はい(^o^) では次を見てください。

昆陽池に鴨がたくさんおりました

季語(鴨)も入っているし、ちゃんと五・七・五になっていますね。

これを読まれたとき、あなたはどう感じましたか?

ああ、そうですか…

というほかはありませんね。

この句からは感動というものが伝わってきません。ただの「報告」なのです。

では次の句はどうでしょう。

夕日落つ土手のコスモス揺れやまず

黄昏どきのコスモスが土手の風に吹かれながら少しずつ夕影を濃くしていく様子です。

ただの報告のようにもとれますが、

この情景どこかでみたなぁ〜

と回想された方はいないでしょうか。

一点景としての郷愁が共感できたならば、それが俳句なのです。じつはこれは私が俳句を習い始めたころ初入選した句です。

感動した情景をスケッチブックに絵を描くようにことばで写生する.

これが俳句作りの基本です。

考えて作らず感じて詠む

幼子たちの素直な驚きのことばに思わず感心させられることがあります。

彼らは純粋に心に湧いた感動や驚きを瞬時にことばにしているだけです。

俳諧は三尺の童にさせよ。初心の句こそたのもしけれ

という芭蕉のことばがあります。

技巧に走らず誰が読んでもわかるような素直で平明な感動写生こそが、真理であるということを教えているのです。

作りながら覚える

入門書を山ほど買って読み始める初心者がいます。はっきり言ってそれは間違いです。

感動を捉える前にまず知識の抽斗に寄り道するので直感が働かないのです。

知識は経験を経て感覚として覚えていくもので、知識優先の学びはかえって作句の妨げです。

騙されたと思って一年間私とつきあってみて下さい。必ず俳句作りの喜びと感動する心とを見つけられるでしょう。

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