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2024年04月30日

昨夜の雨晴れて朝日に立つ新樹 風民
歳時記をめくるページに花の屑 えいじ
姿なきジャスミンの香の統ぶる路地 せいじ
傘寄せてお喋り楽し一年生 もとこ
黄塵やキトラの青龍どちら向く 明日香
追ひ抜かれまた追ひ抜かれ春登山 あひる
髪切って耳元過る若葉風 きよえ
花の香と共に納経霊山寺 愛正
春うらら広場真中の曲芸師 康子
一水のひかり覗かす茂る草 康子
紫陽花の奥に粟立つ初蕾 かえる
蕊ひとつぶらさげてゐる蜘蛛の糸 えいじ
囀りに目覚め雨戸を手繰りけり 澄子
観潮や四国の旅の序章なり 愛正
登校の列を乱す子葱坊主 満天
円安に歯止めかからず四月尽 千鶴
囀りに厨仕事も捗れり 澄子
剥くほどに柔き産毛や春筍 あひる
藤の棚光の珠の溢れをり 山椒
登山靴並ぶ玄関山の宿 みきお
棚霞み突きって行くモノレール たか子
初夏の風緩き坂道登り行く たかを
隣家より梅の実あまた転がりぬ 満天
無風なり三世代立つ鯉のぼり ふさこ
昭和の日仏間に語る感謝かな 智恵子
葱坊主で埋めつくされし田んぼかな こすもす
五月雨にテニスボールの手入れかな ぽんこ
園の地に火を吹くやふな躑躅かな えいいち
茉莉花の蕾はワインレッドかな せいじ
のっしりと幹ごと揺する棕櫚の花 そうけい
葉隠れの小粒の梅の実の青し 山椒
浅利吐く真夜の厨に砂の水 かえる
何の日と聞かれ確かむ四月尽 みきえ
都忘れ解体の庭群れなして 智恵子
予報あり一時雨にも春惜む きよえ
目に優しい但馬の山々風薫る こすもす
隣人と草花交換土匂ふ そうけい
さみだれや天辺隠る三輪の山 明日香

2024年04月29日

珠玉の日いまとどきたり牡丹の芽 みのる
大橋を渡る淡路や花の宴 愛正
豊かなる村に清水の駆け巡る かえる
点線で夢の現る薄暑かな 明日香
目を皿の古本市や春暑し こすもす
阿字池に名に負ふ藤の揺らぐ影 せいじ
逢へぬままもうジャスミンの盛りけり あひる
何思ふ祝日と云ふ昭和の日 たか子
新じゃがの大きへ伸びし手や二人 みきえ
御座船を岸の柳に見送られ ぽんこ
ぽつぽつと落ちて地に咲く八重桜 えいじ
ストックの払ふ山藤獣道 愛正
白服の溢る参道東大寺 みきえ
橋渡る下校子の列ながし南風 みきお
派出所に日の丸高く昭和の日 なつき
雨雲の覆われし空春行くや きよえ
人知れず緑に咲ける御衣黄花 えいじ
春うらら川面ゆっくり番鴨 満天
塩焼きかバターソテーか鮎解禁 山椒
藤落花風の意のまま舞い散るや きよえ
昭和の日射的ベーゴマ紙芝居 山椒
鳩寄りて老の草笛聴き惚れし もとこ
明日葉や時が解決せぬ事も 明日香
蓮華畑羽音あまたや皆平和 智恵子
花檸檬数多の白や実の知らず ふさこ
師の句碑のもとに集へば風薫る みのる
薫風や植え変ふ花壇鮮やかに そうけい
小糠雨けぶる黄昏れ暮の春 千鶴
杣の道つかず離れず鶯のこえ 澄子
大南風に飛砂降る道路タイヤ音 智恵子
むくつけき庭師の手なる薔薇アーチ あひる
子ら駆けて花吹雪また花吹雪 風民
色褪せぬ八百年の躑躅かな えいいち
鍬跡のままの筍隣家より 風民
三姉妹好みそれぞれ春ショール こすもす
微かなる葉づれの音や夏の夕 みきお
瀬しぶきの珠ととどまる蜘蛛の糸 康子
ふらり見ゆ月も灯火も朧かな えいいち
激つ瀬を一筋よぎる蜘蛛の糸 康子
大富士に向かひて泳ぐ鯉幟 澄子
夏風邪や顔を真つ赤に咳こめり なつき
耳澄ます眠れぬ夜に遠蛙 かえる
藤棚を仰ぐ修学旅行の子 せいじ

2024年04月28日

春嶺や写経収めの霊山寺 愛正
藤棚を駆け抜く風や屑の舞 康子
原つぱをお気に召すまま揚羽蝶 かえる
泳がずにだらりと下がる鯉のぼり こすもす
紅白の光放てり丘躑躅 山椒
炎昼や人影の無き漁師町 みきお
雨降りて草に風立つ穀雨かな えいじ
どの道を行くもジャスミンなだれ咲く 満天
優し眼の白き神馬や楠若葉 もとこ
五月晴訪ひ来る友も杖つきて みきえ
溝さらう泥の上にも落花かな えいじ
洗濯機五回回せり衣替 なつき
仰ぎ見ゆ旧街道の桐の花 澄子
放生池春風和む霊山寺 愛正
春尽くを知る松の芽の長きかな かえる
踏切を跨ぐ参道新樹光 智恵子
思はざる疫病跋扈やよなぐもり 澄子
喬木の翳す千手に懸かり藤 みのる
藤房の風に揺らげる二尺かな あひる
幾千の藤房風に煌めけり 山椒
さざなみの立ちて崩れし藤の影 せいじ
山つつじ薄紫に凛と咲き 千鶴
いっぱいに開く手のひら鉄線花 風民
飛蚊症若葉を愛でるその奥に たか子
眼下には濃尾平野や風光る 智恵子
晩学の教師はネット四月来る 明日香
抜きたての玉葱畝に整列す みきえ
連休や各地イベント春惜しむ きよえ
風光り葉と葉囁く並木道 きよえ
藤匂ふ拝観券を買ふ背ナに せいじ
棚の藤しづくのごとく屑こぼす みのる
放牧の牛の反芻青葉風 みきお
春雨に五百羅漢はべその顔 風民
五月晴空に放ちてシーツ干す 康子
藤房の帳の奥の鳳凰堂 あひる
観潮船出入り付近は大賑わい 千鶴
川下り見上ぐる木々のかかり藤 こすもす
一番風呂染めし黒髪洗ひけり なつき

2024年04月27日

たんぽぽの絮一伸びし風に乗る せいじ
遮断器のなき踏切や青き踏む 澄子
菜の花の広がる畑富士聳ゆ 山椒
穴数多獲物抱えて迷う蟻 たかを
都忘悲しき時も歌うたう なつき
花の屑集めて風に撒く子かな えいじ
日没にホッと一息春暑し 智恵子
受取りの自署名滲む半夏生 みきお
絵画展力作揃ひ暮れかぬる たか子
越してきた挨拶うれし四月かな 明日香
躑躅散る苔の緑に朱を垂らし 千鶴
光弾く躑躅野辺にも川辺にも 山椒
ブギウギやアリオの広場春ライブ きよえ
揚花火見上ぐ頤美しく みきお
吊るされて目玉ぎよろりと鯉のぼり あひる
胎の写真待つ待合に春日射す 康子
釘咥へ檜皮葺き替ふ大工かな みきえ
走り梅雨デッキブラシに戯れる犬 智恵子
蜘蛛囲揺る獲物にあらず桜蕊 かえる
葱坊主花火のごとく開きけり あひる
薄暑いよ鉢の手入れにつかれおり そうけい
春の畑異常気象に悲鳴上ぐ きよえ
八重桜の落ちてはねるや草の上 えいじ
破れし囲を捨てしか蜘蛛の居ずなんぬ せいじ
蟻穴に見えて隠れて大獲物 康子
風紋となる校庭の花の塵 風民
貰うたび違う食べ方しタケノコ こすもす
草笛を吹いて老爺の得意顔 もとこ
懸かり藤瓔珞なせる藤大樹 はく子
小高きへたんぽぽの叢駆け上がる かえる
碧眼と御座船に乗る初夏の風 ぽんこ
工房の街藍匂ふ薫風裡 澄子
半日を我が家の塀に守宮かな 明日香
葉桜となりて遊具のカラフルに 満天
吾の試歩にたんぽぽの絮飛ぶを待つ そうけい

2024年04月26日

夕映えて若葉の高み黄金色 康子
もちの木の剪定樹上五メートル 千鶴
藤棚に日の斑こぼるる亭午かな 澄子
御廟所にこぞりて光る松の芯 なつき
葉の擦れて詩碑を讃へむ若楓 えいじ
あたたかや母とをさなの国言葉 あひる
一年生友の名一人教へくれ なつき
振り子のごと毛虫宙吊り右ひだり ぽんこ
四方から囀飛ぶや夕の園 きよえ
カーポート屋根より高き鯉のぼり みきえ
花裏に雨をしのげる飛蝗の子 あひる
新茶撰る香り手触り舌触り 山椒
淡々と夏草刈りぬ老二人 みきお
花筏早瀬の波に呑まれけり 澄子
破れし巣に取り残されし蜘蛛の贄 せいじ
若葉風巡回巡査ミニバイク みきえ
いとけなし現場事務所の鯉のぼり えいじ
車座となる花見や無礼講 みきお
溝川に枝垂る白藤天使めく 智恵子
寺つつむ躑躅垣越し塔そびゆ もとこ
参道の緑陰弁当食べる人 こすもす
松の芯手で摘むプロの指さびき 千鶴
川沿ひのバラのアーチを皆が行く 満天
藤棚に潜りベンチは満席に 智恵子
蟻の列孫はよちよち最後尾 康子
消しゴムで消せぬ誤り花曇り 明日香
玄室や花の風入り死者の声 明日香
君子蘭朱を極めたる小糠雨 むべ
蓮花田や軽トラ停めて手弁当 こすもす
もう終わり遺影に花のことを告ぐ たか子
鉄線花一輪空へ咲き初める 風民
あらはれてすぐまた消ゆる青蜥蜴 かえる
藤棚の花咲き初めし房の揺る きよえ
黄砂降る終末時計進みけり 山椒
新き靴の軽さよ春堤 風民
行く春へ弓を引きたる黒袴 かえる
蜘蛛独り壊れし網の真ん中に せいじ

2024年04月25日

新緑に友となりたる松葉杖 みきえ
バス停の三色菫空晴るる きよえ
人家抜け山蕗籠に山と摘む 智恵子
公園の一雨ごとに木の芽吹く 満天
咲き急ぐ花に無情の嵐かな 明日香
よべの雨洗い立てたる柿若葉 むべ
青芝にダイヤ散らして雨上がる むべ
宰相の座像に赤き落ち椿 山椒
霾晦曇り乗る人も無き観覧車 やよい
脚立より降りてひと息袋掛 みきお
都会の空うぐいすの朝啼きを聞く ぽんこ
鯉のぼりみくじ掛けに吊る古刹かな なつき
空向かふ木木のあくびに山笑ふ もとこ
天毬のやうな桜の頬に触れ えいじ
春宵や茶葉ふくよかに広がりぬ 千鶴
ベランダより川面ながめて春惜しむ 満天
病みし眼に留めむ風の若楓 あひる
花は葉にバス待つベンチひと休み 智恵子
レコードの盤さながらに蜘蛛の網 せいじ
虻の群つぎつぎ揺らす藤の棚 康子
山雲の連山の如春の今朝 きよえ
卯の花の籬に憩ふ乳母車 澄子
御廟所の白藤甘き香を放ち なつき
行楽客見下ろす宇治の山笑ふ あひる
日永なる夕餉の支度急がされ たか子
蒲公英のはや絮となり淡く飛ぶ 千鶴
勝手口開けるや涼し夕の風 たかを
鳥の声満天星の花ぷっくりと 風民
蜜蜂のホバリングして径塞ぐ かえる
新しき虚空に糸を飛ばす蜘蛛 せいじ
木から木へトランポリンや雀の子 康子
咲き満ちて藤棚先客万来す 澄子
春愁や三つの顔持つ阿修羅像 はく子
ひとの手をじつと見てゐる縞蜥蜴 かえる
ほつほつと落ちし関山桜かな えいじ
風光る神殿昇る綿帽子 山椒
散歩道菫に蹲み小休止 風民
瑠璃トカゲにらめっこして観察す 明日香
登山帽見え隠れする急斜面 みきお

2024年04月24日

撮り鉄の待ちしホームや夏の雨 みきえ
咲き初めて棚藤淡くいろづきぬ 澄子
春蝉の途切れる声や松林 みきお
春暮るるミニバスボール届きけり 千鶴
春昼の双子の欠伸おのおのに もとこ
弓なりに撓る竹竿鯉のぼり せいじ
歯固めの膳に蛤堂々と 風民
主人なき転がる鉢にムスカリ花 智恵子
輪を連ね桜蕊敷く歩道かな せいじ
吠えられてわらうておりぬアイス売り えいじ
春光や龍の浮きたる鋳抜門 康子
松の花かっての浜辺古看板 きよえ
春疾風全自転車横倒し 満天
春禽の群れて騒げりほ句詠めず えいじ
山伏の法螺貝響く山開き 山椒
路地明かし木香薔薇の続く垣 そうけい
とぎものをぐるぐる巻きに春疾風 満天
花水木小雨に煙る今日の町 たかを
捨てがたき本の山積み畳替 ぽんこ
うららけし期間限定桜パフェ 明日香
来る子らにたっぷり炊いて蕨飯 風民
苑めぐる螺旋の花壇チューリップ 康子
黄緑に萌黄を襲ね若楓 むべ
春光に亀の甲羅の鉄びかり あひる
長雨に芽吹く草かな柔き土 えいいち
三線に手の踊りだし若葉風 あひる
掘り起こす色無き庭園春の暮 そうけい
小雀の恐れ知らずや鳩追ふて きよえ
出迎へは右近左近の花鳥居 かえる
琴の音の途切れて外は春の塵 たか子
登山口厠に群れる著莪灯り 智恵子
藤棚の下に一会の人とあり 澄子
檸檬の花咲くあだ花やただ眺め ふさこ
立ち話木香薔薇の香の優し こすもす
深閑とビルの佇み黄砂降る 山椒
脳老いてあれはこれはと衣替え たかを
病癒へたんぽぽの絮吹く子かな むべ
旧街道よぎる軒先初つばめ みきお
青芝をまづ整へて弓稽古 かえる

2024年04月23日

通学路塀超え垂れる濃山吹 愛正
顔ほども大きく咲けり春牡丹 山椒
野田藤や吾子の手に触れ吹き散りて ふさこ
花明かり小手毬白く宵の路地 えいいち
音たてて影もうねるや鯉のぼり あひる
もぐら除けの風車の並ぶ遍路寺 なつき
四囲の山芽吹きの緑地図を描き 明日香
反り返る猫の欠伸や春暑し えいじ
囀りをこぼさぬように楠大樹 満天
白鷺の汀に憩ふ朝かな むべ
藤浪の寄せては返す昼下がり 澄子
稾木を登り詰めたる藤の房 澄子
春雨に犬散歩なく波光る きよえ
乃木邸の庭に降りしく桜蕊 山椒
春疾風何故に季節を先へやる 明日香
東風吹くやガールスカウト日の丸掲ぐ えいじ
茎立の鉢の並べり納経所 なつき
引越しの窓に小さき鯉のぼり 満天
渓流の岸辺にふきの青々と 千鶴
ポキと折る松葉独活より水溢る 風民
ふきの皮剥いて野草の香り立つ 千鶴
オオデマリの白さ際立つ狭庭かな こすもす
日の暮れて足もと照らす黄水仙 みきお
打ち降ろす槌音高く花は葉に たか子
葉桜に霧雨そそぐ沈思かな ぽんこ
チューリップあひ凭れあふ雨上がり 康子
しどけなき午後の牡丹の色香かな あひる
もごもごと犬の寝言や明易し むべ
山吹や万朶の中の花を見ゆ 愛正
春帽子振って別れる交差点 みきお
お社の若葉影に在る土俵かな かえる
蒲公英の絮を飛ばして鳩翔てり 康子
願ひごと桜の絵馬に託されし かえる
円形の広場に薔薇の咲き初めし せいじ
波止の船早点灯や霞む瀬戸 きよえ
お喋りの締めは満載いちごパフェ もとこ
池の面にはためく千の五月鯉 せいじ

2024年04月22日

カメムシを爪弾きして日永かな 明日香
突風にみるみる太る鯉のぼり あひる
ぬいぐるみ干す園庭に薄暑光 むべ
青葉若葉貫くメタセコイアかな えいじ
折り皺に泳ぎにくさう鯉のぼり かえる
白蝶の日に遊びをり畑昼餉 風民
山椒の芽たたき仕上がる若竹煮 むべ
苺食ぶ犬もお手して欲しがりぬ かえる
若枝に次第に烈し春疾風 風民
生かされて目に染む色の余花に逢ふ もとこ
黒土を啄む小雀親雀 愛正
缶ビール先ずは乾杯円居なか 智恵子
カモミール花摘み友のティータイム なつき
そこかしこ囀り飛ぶや森の径 えいいち
春望や里山生かす美術館 そうけい
躑躅背に口元ゆるぶ寿老神 ぽんこ
老木の洞より長き芽吹きかな 康子
夏の季語ばかり出て来る狭庭かな 明日香
郷駅前食堂押しのあさり丼 そうけい
アメンボの水輪池面に溢れをり きよえ
朝散歩右折選べば新樹光 こすもす
角度決め鍬振り下ろす筍掘り 千鶴
あれこれと筍尽くし夕餉かな みきえ
せつかれて黄金週間予定うめ ふさこ
青空に樹冠揺らげる青葉かな えいじ
奥山の入山禁止鬼薊 愛正
新緑を愛でし横顔眼裏に たか子
千の鯉そよぐ緑道散歩せり 山椒
あちこちの閉店多し春寒し 満天
身に纏ひ涼しさ生まる藍の布 澄子
甚平が甚平と指す将棋かな みきお
白壁にまどひ反り来る揚羽蝶 せつ子
バーゴラの木組あたらし新樹光 澄子
新緑に映える花嫁綿帽子 山椒
ペットボトル猫除けに置く牡丹寺 なつき
青々と命溢れる夏の山 みきお
幼子が憩ひの要大緑陰 せいじ
つくばいに落花浮かべて豆画伯 智恵子
漣の消ゆれば進むあめんぼう みのる
げんげ田にしばし遊びて蝶の行く せいじ
掘り立ての筍たぎる湯の中に 千鶴
木木さやぐ鳩の群来て春の夕 きよえ
千体の地蔵に千の風ぐるま 康子
結実の梅の木洩れ日はしゃぐごと あひる

2024年04月21日

行く春や降り続く雨音もなく 満天
蜜蜂の逆さに止まる満天星花 風民
鉄塔を囲む柵内蕨長く みきお
路地裏の遊びに夢中春の暮 ふさこ
甘き香を放つ朝採り苺かな みきえ
雨打つやネットに凭る豆の花 きよえ
芽吹き山あたり一面輝かせ 明日香
白蝶の現れては消ゆる豆畑 あひる
空豆の小さき鞘も空を指す あひる
くちなわや雀隠れの草動く みきお
水まけばふいと現る黄蝶かな 明日香
ハルカスも山も飲み込み霾れる はく子
心地よき葉擦れの音や若葉風 せいじ
春日射すやおらに動く鯉の群れ ぽんこ
霾天の動かぬ鴉鬼瓦 むべ
湯掻かれし筍貰ふ夕餉前 みきえ
柔き日のメタセコイアの若葉下 えいいち
藤波の立ちて雨降る予感かな 澄子
森カフェの沈むソファーに春眠し 康子
目に優し盆地の郷の若葉山 こすもす
講釈を聞きつ試食の苺食ぶ かえる
雨の日の垣根の紫蘭紅ひかる きよえ
桜茶のひらく花弁にひとり和ぐ 千鶴
龍笛の響く社に若葉風 山椒
春空へ吾娘空港を旅立ちぬ 山椒
神鶏の鳴き声ひびく若葉雨 なつき
美術館広き木立に風光る そうけい
思いがけぬ訃報や春の朝哀し こすもす
桜蕊柴犬ばかり出逢ふ露地 澄子
田の水に晴れ色付ける八重桜 隆松
ウクレレのビージーエムや春の苑 えいじ
館ぬくし玻璃窓額の庭木立 そうけい
蝶二頭飛ぶメビウスの輪のごとく せいじ
筍のはみ出す小径しばし立つ 智恵子
酔ふほどに声高まれり花筵 千鶴
八重桜己が重さに項垂るる 隆松
雨つばめ茶屋の行列掠めたり なつき
立浪草荒野に立てる波がしら むべ
防獣柵鋸歯と棘もつ鬼薊 愛正
小雀の飛びそこねたる轍かな 愛正
あひ会釈してすれ違ふ登山道 かえる
かくれんぼいつまで続く日永かな もとこ
朝の日に燃える緑や百千鳥 えいじ
百匹の群れやタワーの鯉のぼり 康子

2024年04月20日

揚羽蝶我が家の庭の花巡り 山椒
たんぽぽの川辺一面黄群す えいじ
蓮花田に尻もちほどのクレーター あひる
マイカーで越える峠や花の旅 かえる
黄砂来るランドマークも何処へやら せいじ
藤浪に代る代る来三筋蝶 むべ
春耕やトマト支柱の整列隊 愛正
疎になりてまた密となる花筏 かえる
水吸ふて伸ぶ青葦の匂ふかな えいいち
マンションの裾の彩り躑躅燃ゆ 満天
落語会素人話芸に春惜しむ こすもす
合唱の揃はぬ池や初蛙 むべ
二日かけ手強き畔の畔の草を刈る 千鶴
春愁の阿修羅の眉目ありにけり 澄子
衛兵の如くアイリス気を付けす 山椒
水底に動かぬ力冬の鯉 みきお
桜散る眼下に母校の小学校 はく子
春風にそよと草花伸びやかに きよえ
風光る自転車通学颯爽と 満天
きざはしに黐の香りの降りそそぎ 明日香
花著莪や朝景乱す谷の水 隆松
放物線描きてくぐる燕 千鶴
中空に淡しと思ふ花水木 澄子
自転車を並べ畑打つ老二人 みきえ
三つ編みの幼子跳ねる花野かな みきお
里池に垂らす釣り糸風光る 愛正
藤棚の下で囲まれ将棋盤 こすもす
言ひ訳をしつつくれたる春野菜 みきえ
半世紀母校変わらぬ花の門 そうけい
わが家をひよいと覗くや親鴉 えいじ
桜前線車窓に見たり旅途中 智恵子
翠緑の滴る明日香石舞台 明日香
ふらここの吾子膝に乗せ子守唄 ふさこ
鯉のぼり吊るす朝市浜日和 なつき
体操服汚し遊びし一年生 なつき
ウクレレの音色もまじる若葉風 あひる
めかりどきストレスなしの夫昼寝 もとこ
岩陰につつじ燃え立つあしたかな ぽんこ
春雷に記憶が一つ消えたよな 智恵子
まくなぎを払えば脚の覚束な たか子
眼裏に残る軌跡や蝶の舞 せいじ
一水を翳すなぞへの青楓 康子
桜しべ仏足石にとどまれり 康子
静かなる大滝枝垂れ桜かな 風民
夕暮の里の道行く春の風 きよえ
郷里に来知るは落花の忠魂碑 そうけい

2024年04月19日

春の野に歓迎会の大縄跳び あひる
体育館四人っきりの新入生 山椒
風光る仕立て屋前の駐輪場 愛正
ほつほつと灯すくれなゐシクラメン えいじ
つばくらめ影と縺れつ旋回す かえる
木道を照らす白さや姫卯木 むべ
蒼天に日はじき返す青楓 ぽんこ
霞立つ比叡より水流れくる あひる
母校の写真校長室の窓に花 そうけい
遠浅の砂にまさぐる蛤よ 智恵子
縄張を争ふ蜥蜴砂煙り みきお
コラボなす黄の蒲公英と畔の青 千鶴
胴咲きの花に雅を添ふ幹の苔 明日香
水色でやや大きめの古日傘 みきえ
櫻蕊一面に敷く無人駅 ふさこ
眠たげにゆらり舟漕ぐ春牡丹 山椒
行く春や出番の近き耕運機 愛正
菜園を付かづ離れづ二羽の蝶 みきえ
夕映の池面を透かす若楓 康子
暮れなずむ白藤の房揺れやまず むべ
花は葉にチャペルの壁は真白なる やよい
淀川も長江のごと霾天下 せいじ
白子船甲板洗ふ水光る なつき
桜蕊降りし紅茶け吹き溜まり えいいち
只今と歯を見せる子や春の汗 こすもす
春漫ろ独り身の憂さ忘れけり たか子
公園の草ぐさのなか山吹咲く 満天
ネモフィラスマホに写し持ち帰る きよえ
囀や高みを落ちつ戻りつつ 風民
親も子も亀の犇めく春の川 えいじ
久し母校古木に触るる花の門 そうけい
潮干狩大物見つけ唾をのむ 千鶴
水浴びの燕漁港の水たまり なつき
カフェテラス白き皿へと若葉影 康子
春の汗新六年生帰宅せり こすもす
桜貝波に転がる朝の浜 智恵子
大欅雲湧くごとく若葉萌ゆ みのる
たびまねく震羽の蝶蜜を吸ふ えいいち
蕗味噌や故郷の味母の味 みきお
新社員らしき集まり意気揚揚 もとこ
花屑をつけしバイカー道の駅 かえる
大漁の春鰤夕の卓馳走 きよえ
生れし子の小さき鯉足す鯉のぼり せいじ
朝窓を繰るや眼福新樹光 澄子
神木を鎧ひし蔦の芽吹きけり 澄子
三輪山の薄雲払ふ桜南風 明日香

2024年04月18日

ボールマーカーと見間違えもす落花かな こすもす



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