みのる:みなさんの鑑賞通り、ゆさゆさと担ぎ…の措辞から連想するとかなり大きな七夕の竹笹だと考えられますね。門先に飾るような小ぶりなものではなく広いお庭とか、地域のお祭り行事などのために裏山の藪から切り出されれきたものでしょう。かえる解にあるような田舎の二世代家族のおじいちゃんがこの句の絵としては似合うように私も思います。

えいいち:上五中七の情景描写に作者の気持ちがよく伝わり「星の竹」が七夕用の竹だと素直に受け取れます。「星の竹」がとてもロマンチックに感じます。

かえる:竹を担いでるのは祖父かもしれないと思いました。竹林で、七夕飾りをつけるのにほどよいものを吟味して、ゆさゆさと担ぎながら孫のために持ち帰る光景を切り取ったのなら、なんと素敵でしょう。口下手で寡黙な祖父の愛情いっぱいのプレゼント。黙って差し出された孫は、目を丸くして飛び跳ねてはしゃぐ。この子の健やかな成長が星の竹に託されているように感じました。

康子:「もどりし」の意味を考えていたのですが、澄子さんの合評を拝読し「子供が担いでいる」としたら面白いなと思いました。さも七夕の笹が歩いて家に戻るように見えた、と解釈すると楽しいです。例えば下校する子供達が、七夕の飾りを付けた大きな笹を担いで歩いている、としてみると笹の音や子供達のはしゃぎ声が浮かび七夕の季節感を感じます。

澄子:上五「ゆさゆさと」から豊かな笹の葉の葉擦れの音や竹のしっかりした幹の様子、しなやかな小枝の揺れが伝わってきます。肩に担がれるぐらいだから その人の丈以上はあるものでしょう。近くの竹林で伐りとったばかりのものを 意気揚々とまるで山の幸の獲得物のように担いで家に帰ってきた人の姿がユーモラスでまた頼もしく映ったのかもしれません。最初家族のために七夕の笹を用意する大人の姿を想いましたが 子供の姿であったら可愛くてより趣があるなぁと思いました。

むべ:七夕用の竹を肩に担いでご家族が帰宅されたのでしょうか。あるいは、職場などで飾る竹を同僚の方が運んできたのでしょうか。「ゆさゆさと」「担ぎ」の措辞により、それなりに長さのある(高い)竹だとわかります。これから作者は短冊などを飾り付けるのかもしれません。行事を大切にする丁寧な暮らしぶりが察せられ、やや蒸し暑さの残るものの、夜は涼しさも出てくる季節感も感じます。