えいいち:美味しそうな湯豆腐です!猫舌の人は七転八倒、熱いのが平気な人は七転び八起ですね。どちらにしてもとても美味しそうな湯豆腐を頂いて皆笑顔になっている情景が浮かびます。

あひる:湯豆腐が三冬の季語。口に入れたものが思いがけず熱くて「ふーはふーは」と慌てることは、誰しも経験のあることで、万人の共感を得る一句だと思います。下五の「七転す」が無駄なく状況を表現して、ユーモアもあり、同席の人との和やかな雰囲気も分かります。言葉選びが素晴らしいと思いました。

せいじ:湯豆腐が三冬の季語。寒いときの湯豆腐は格別においしい。作者は、自分が猫舌であることも忘れて、思わず口に入れてしまったのであろう。苦しんでいる人には申し訳ないが、七転八倒する姿を想像して笑ってしまった。ユーモラスな句である。

むべ:「湯豆腐」が三冬の季語。作者は熱いものが苦手なようです。口の中に入れた湯豆腐が、想定外に熱かったのでしょう。マナー上口から吐き出すわけにもいかず、とにかく温度を下げるためには、口の中でハフハフと回転させるしかありません。上五・中七まで一気に読ませ、下五の「七転す」で何とも言えない笑いがこみあげてきます。臨場感と現実味のある、生き生きとした写生だと思いました。