素秀:納涼フェリーなら乗ったことがあるのですが、これは街のネオンが水面に近いようですし川のようです。さざ波にネオンが揺れてまた風情が増しています。

あひる:ネオンの文字が水面に揺らめくのですから、河口もそう遠くない大きな街の大きな川を思いました。ネオンの文字は読めそうで読めないのでしょう。夜の川面に光るネオン、涼しい川風、そして趣向をこらしたお料理、船の中の灯りに照らされた作者が目に浮かびます。行ってみたいなーと思いました。

えいじ:はじめて投稿させていただきます。よろしくお願いいたします。「舟料理」が三夏の季語です。 残念ながら、私には乗船の経験がありません。私の歳時記には、船のなかに生簀などあって、新鮮な夏ならではの料理を提供するとありました。贅沢な夏の趣向です。 川面が風に揺れて、映し出されていたネオンサインが読めなくなってしまった、という句でしょうか。 気になるのは上五「水ゆれて」と「読めぬ」です。あまりに端的で、そっけない印象を持ってしまいました。本当にこの夏の料理や風情をたのしんでいるのだろうか、と感じてしまいました。

むべ:「舟料理」が三夏の季語。大きな船を料理屋に仕立て、新鮮な魚介類を楽しむ…ただ食事をするのではなく、言わば川遊びの一種であるところがなんとも粋です。川床(晩夏の季語)料理なら明るいランチタイムの可能性もあるのかなと思いますが、ここでは川面に映るネオンを解読できないことから、ディナータイムとわかります。都会の夜を彩る、大人の遊びの光景。

せいじ:舟料理が三夏の季語。大阪の淀屋橋のたもと、大川に浮かぶ舫い舟のお店が目に浮かんだ。生簀からとった魚を料理して食べさせるとのことであるが、行ったことはない。川風に吹かれながら、ふと舟の外に目をやる。川面にネオンサインが映っているのだが、水が揺れているのでネオンサインの文字は読めない。舟の上にいると繁華街の喧騒から隔離されたような気分になるが、「読めぬ」がそれをよく表している。目の付け所がすばらしい。

豊実:いいですね。屋形船から見る水面がネオンの光でキラキラしています。料理と酒がとても美味しくて贅沢な空間ですね。