やまだみのる

答は後で言う

俳句表現のテクニックとしてクイズを例に説明しましょう。クイズを出すときに先に答を言ってしまったらどうでしょう。面白くもなんともありませんね。答を知ってしまった後で問題を聞いてもそれはただの説明にしか聞こえません。

感のいい方ならここまで言えば、”そうか!”と、膝を打たれたことでしょう。 俳句を詠むとき、発見や驚きの答になる部分(句の焦点になる部分)は下句のほうに回すのです。 落語で言えば「落ち」の部分ですね。同じように詠んでも説明になるか俳句になるかはここで別れるのです。 添削で上句と下句とをひっくりかえしているのはたいていこのケースに該当します。

Sさんの句のケースを事例に挙げておきます。

原句> 涼しさや一陣の風雨後の庭

添削> 雨晴れて降り立つ庭の風涼し

(2001年6月2日)