みのる選:2013年度

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2013年12月17日

(加者15名)

俳句作者
マスクしてゐても姦しをみなどちうつぎ
ルイビィトン欲しクリスマスショッピング
レシートに膨るる財布十二月
法の庭一鉢ポインセチア置くひかり
石仏の顔染めて草紅葉
ウエディングドレス聖樹のウインドに有香
冬雲を抜け出して飛機着陸す
開店を待つ人垣や街師走きづな
日銀の閉せし門へ黄落す
小春日の苑に野鳥の水飲場はく子
社会鍋軍服托鉢僧和服
常盤木の古墳を抱きて山眠る宏虎
石庭に山茶花紅をこぼしけりわかば
石庭の要の松の色変へずつくし
風花のこぼれ高舞ふアーケードこすもす
着膨れてハグの手背にとどかざる小袖
銀杏散り敷いて華やぐ御堂筋満天
喧騒の人波に年惜しみけり
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2013年11月19日

(加者12名)

俳句作者
小春日を窓に小犬の美容院菜々
夜叉のごと風にうち伏す枯尾花
冬たんぽぽ人麻呂歌碑の辺に黄なり
ハングライダー峰より放ち山眠る
枯葎歌碑は読み人知らずかな
にぎやかに声とぶ保育園小春はく子
錦木の極みと見たるもみぢかな
枯尾花伏して小径を通せんぼ
散もみぢ綾なす万葉歌碑の径
真青なる空にもみづる大欅
古井戸のほとりは殊に石蕗明かりわかば
陣二つ争ひもなく鴨の池
走り根も隠るるほどや落葉嵩
オルガンの響く聖堂寒からずぽんこ
浅瀬なる石の間に間に鴨あそぶ
一陣の風に駈け出す落葉かな
暖房の床屋の椅子にまどろみぬ宏虎
老かこつ吾を一喝冬の雷
業平の歌碑おほひたる散紅葉こすもす
短日や携帯電話電池切れ
ローカル線子等の絵吊るし冬ぬくし小袖
切り株に仲よく隣る冬帽子
参道はさながら紅葉浄土かなよう子
裸木に一葉の残る虚空かな
柿一つ残し大空暮れなんと有香
枯蓮相討つごとく寄りかかりよし子
あぢさゐの枯るるといへど色仄と満天
植物園疎なる梢に冬日燦
散紅葉万葉歌碑に堆く
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2013年10月15日

(加者14名)

俳句作者
祈りゐるマリアの像へ秋しぐれ菜々
聖壇へ彩窓洩るる春日かな
うすずみに霧立ちのぼる主峰かな
立ち並ぶ埴輪に秋思ありにけり
石畳仄と染めたる薄紅葉わかば
万葉の碑に佇めば木の実落つ
破れ蓮池は修羅場と化しにけり
疎に咲いて秋バラ雨にうなだるるこすもす
ビロードの色の褪せたる秋のバラ
走り根の苔に珠なす秋時雨
万葉碑めぐりて苑の秋惜しむつくし
大石に座して秋思の人となる
石仏にはりつく蔦の薄紅葉小袖
巡拝の岨の細道薄紅葉
今年米湯立の釜へ投げ入れる有香
口開けし通草をさげて句座の友
水亭の大磐石へ色鳥来きづな
黄落と紛ふあえかな秋の蝶
万葉の恋歌の碑に秋思憑くぽんこ
ガラス窓涙走りす秋の雨よし子
塚の蟻せわしなげなる秋天下よう子
池塘の木葛をまとひて立ち尽くすはく子
聖堂の四方の彩窓春日射す満天
葛の葉のなだれ落ちたる水際かな
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2013年9月17日

(加者12名)

俳句作者
澄む池の向ふ岸より友の声せいじ
くわりんの実木偶のごとくに個性あり
鹿垣の戸に鍵はなし深山道
起ち直る河原の芒台風禍
台風一過吟行日和を賜りぬ百合
奈落なる川音もまた秋の声
たもとほる薬草園の風は秋
行厨のベンチに群るる赤蜻蛉
磊磊の瀬を過ぎてより水澄める宏虎
左見右見薬草園の花とりどり
一と叢のパンパスグラス秋日影ひかり
水の秋なれや瀬音も逞しき
園に舞ふ貴婦人のごと黒揚羽ぽんこ
欄干を虜にしたる蔦紅葉
くわりんの実ごと転びたる根方かなわかば
小流れを辿り秋草数へけり
里の山暮れて始まる村芝居よし子
山並の斯くもさやけし秋の晴
嵐峡を泥の海とす台風禍はく子
つくつくし鳴きつぐ深山道辿る
さはやかや植木鋏のリズムまた有香
秋高し水あふれしむ天使像満天
王羲之の達筆の書や館涼し
四阿に憩へば四方の昼の虫
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2013年8月20日

(加者14名)

俳句作者
翻る葉裏にちらと葛の花わかば
四阿に憩へば通ふ秋の風
秋の雲白し六甲際やかに
千羽鶴涼し戦争記念館満天
洞ろなる埴輪のまなこ秋思あり
身に入むや千人針の斯く古りて
澄む水に魚影日の斑をまき散らし宏虎
と見る間に霧に失せたる千枚田
浮かみ出し五重塔や万灯会ぽんこ
墓洗ふ土に沁みこむ閼伽の水
蒲の穂の風にうながされて揺るるせいじ
紅蓮の炎のごとく立ちにけり
身に入むや慰問袋の旭日旗菜々
千羽鶴古りて秋思や遺品展
林立のマスト眩しき晩夏光ひかり
秋水の魚影のスクランブルを見よつくし
下校子のカバンが並ぶ葛の土手有香
鐘連打して始まりし盆写経小袖
声はずむリュックの親子風の盆こすもす
夾竹桃戦争資料館の窓きづな
内海の風に傾くヨットかなはく子
上がり根をベンチとしたる樹下涼し
身に入むや展示の慰問袋古り
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2013年7月16日

(加者16名)

俳句作者
山鉾の並ぶ大路をたもとほりせいじ
背もたれは垂直登山電車かな
エジソンの碑へ直立す今年竹
冷奴あれば足りると病める夫うつぎ
山の駅待つのも楽し合歓の花
野仏のトタン屋根打ち夕立来る
四阿の影に屯す鯉涼しひかり
風の出て蒲の葎の騒ぎ出す
尖塔の鐘は亭午や秋澄める
扉の開くや否や飛び込む蝉時雨わかば
美しき彩窓仰ぐ堂涼し
池広し蓮の大葉の波打てる
読み聞かせ教室窓に金魚玉小袖
渇水のダム湖に安堵返り梅雨
風涼し砂丘の渚ロードかな
草茂るここが梅田の一等地きづな
睡蓮の風に四阿去り難し
近道やへくそ葛に触れまじく
海の日や山また山の里に住みはく子
道祖神へくそかづらをまとひけり
青田風鎮守の杜へ通ひ来る
草野球回し呑みする麦茶かな宏虎
雨垂れの調べまたよし夏座敷
風狂や物干竿に釣忍こすもす
夏野菜盛る自家製のスパゲティ
磊磊を見せて細りし夏の川ぽんこ
蒲の穂を揺らして泳ぐ錦鯉つくし
戻り梅雨組みし足場もそのままに有香
緑風に窓全開すケアハウス満天
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2013年5月21日

(加者12名)

俳句作者
靄脱ぎて全容現るる青嶺かな菜々
カフェテラス水の階段見て涼し
風涼し天空ガーデン楽流れ
御座船の朱を連ねゆく万緑裡
皮脱ぎしままにたけのこ伸びに伸びこすもす
木道を先導するはとかげかな
山並を写して植田展けけり
青田風右近の里に広ごりぬ小袖
楼門の朱の際立ちし若楓
ドクダミの大群落に薬師堂
蔦若葉われもわれもと伸びにけりよし子
若葉して山ほっこりと太りけり
総玻璃のビル立並ぶ街薄暑
ビル屋のテラスガーデン風薫るはく子
御座船をながめの堤に風薫る
対岸へ飛石渡る川涼しわかば
泳ぐかに川面の影や鯉のぼり
若楓コートに響くラリー音宏虎
蒲の穂を揺らすは鯉と分りけりぽんこ
駅員の手すさびならめ豆の花有香
若葉風厨の窓に通ひけりよう子
もみ洗ふらっきょ手のひら逃げんとす満天
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2013年4月16日

(加者16名)

俳句作者
鯉跳ねて水面煌めく新樹光せいじ
花屑を吸ひ込む鯉の深呼吸
たもとほる桜蕊降る池塘かな
蒲公英の絮風待ちに揺れにけり
展けたる武庫川堤風薫る
外つ国の漂流物や磯遊びこすもす
春愁や次のバスまで一時間
女坂登りたる先余花にあふ
延命根撫づる遍路のご一行
教へあふ春スカーフの結び方
青深む土手に蒲公英黄を散らすわかば
花屑の影を過りて鯉泳ぐ
洩れ日射す樹下のベンチに春惜しむ
推敲の句帳に落花また落花ひかり
残り鴨鳴けば寄りくる連れのをり
餌にあらず花屑を呑む鯉の口
かくれんぼ花下のベンチがお気に入り菜々
水底の影ひきつれて花筏
泣き止まぬ子の背に肩に花の散る
たゆたへるペットボトルや春の川宏虎
ホバリングしてをる虻や春花壇
桜しべ降る行厨のベンチかなぽんこ
鯉跳ねて散らす水面の花筏
水温む鯉はダイブをくりかへし小袖
鳩群るる池の汀に春惜しむ
伏流の小川となりて花筏よし子
まさおなる空に高舞ふ落花かな
花吹雪ベンチの人の背に肩によう子
老木に深き傷痕花吹雪
川名札囲み堤の菜の花黄きづな
駆け上がる武庫川堤風光る
鯉はねし波紋に揺らぐ落花屑有香
甲羅干す亀どち眺め春惜しむ百合
蹴り上ぐるボールに舞ひし春落葉満天
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2013年3月27日

(加者13名)

俳句作者
まなびやの塔抽ん出し花の雲菜々
ロザリオの丘へ誘ふ花の坂
花ミモザルルドのマリア像の辺に
草萌の丘の要にマリア像
百年の白亜の学舎風光る
躑躅咲き雑木の山に色添へるわかば
ロザリオの丘もとほれば初蝶来
花の下額づく小さきマリア像百合
ぺちゃくちゃと花の道行く吟行子
花守となりし守衛に一礼す英一
ロザリオの丘の四方より囀れる
花の昼窓から洩るる聖歌かな宏虎
学舎へと坂がかる道花盛りひかり
トラピスト畠の真中に山茱萸黄ぽんこ
初蝶来マリアの像の裳裾恋ひうつぎ
楠若葉白亜の塔と並び立つ小袖
雪柳なびく小聖堂への径にせいじ
風光る双手ひろげしイエス像満天
老松の裳裾となりて山つつじはく子
ひた走る部活乙女ら花の昼
ミモザ咲くほとりルルドのマリア像
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2013年2月19日

(加者11名)

俳句作者
窯出しの素焼の棚の春埃せいじ
老幹のねじれ傾ぎて芽吹きけり
山麓の窯元訪へば雪しぐれ
コンクリの川床滑る春の水
雪化粧松子の書なる谷崎碑
松子書の谷崎の碑に風花すうつぎ
石人の背ナ丸めたる余寒かな
春水の階なせる芦屋川
荒東風や治水の板碑そそり立ち
陶房に轆轤回して春を待つ
ろくろ引くをみな春愁なしといふ菜々
下萌に立つ石人は四頭身
妹背なる石の羊へ春の雪
春雪のベールふはりと甲山
雪げむる指呼の六甲山うす化粧はく子
と見る間に雪と変はりし車窓かな
高階へ吹き上りたる春の雪
春灯下陶器窯入れパズルめく
豪邸の閉ざす門より梅ふふむ小袖
公家雛の稚児まんまるの立姿
陶房のぬくしろくろの軽やかに
ライト坂花の蕾のまだ固く
窯入れを待つ陶の棚春寒しよう子
陶土練るブーツの女春灯
下萌に翁の句碑や暴れ川
雪しまく海の昏さを思ひけりわかば
下萌の碑文が話題ぺちゃくちゃと
傘さして歩くに狭き梅の径ひかり
雨の園訪ふは吾のみ梅三分
覗き見る我は映らぬ雛鏡よし子
細雪碑に添ふ桜芽ぶきけり満天
春灯に釉薬つける眼差しを
山々の墨絵となりて雪しまく
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2013年1月15日

(加者18名)

俳句作者
大樽の箍ゆるびなし寒造り菜々
冠雪の六甲指呼に灘五郷
寒造り手擦れに光る自在櫂
拳ほどの道具にも名や寒造り
蔵人の膳隔てなき炉端かな
金色の千木にあまつ日春隣ひかり
句仇も呉越同舟寒の茶屋
宮四温神事を告ぐる大太鼓
神の池へと岩走る寒の水
姦しく鳥語降る森春近しせいじ
風下に立ちてどんどの灰かぶる
くべられてほむら鎮まるどんどかな
美しく老いたしと思ふ福寿草宏虎
初空へ前肢上ぐる神馬像
満面の笑みを添へたり福娘
達筆と見えし吉書も灰となる有香
寒禽の声良くひびく神の森
園児らの黄色い声や吉書揚ぐ
六甲の嶺々の靄ひて雪催ひわかば
囀を包容したる宮の森
園児らの頬みなまっ赤とんど燃ゆよし子
天日を遮る雲に山眠る
社務所にもゆとりの見えし小正月小袖
どんど焼き火だるまとなる熊手かな
愛猫もゐて端近に日向ぼこ百合
冬木の芽朝日を浴びて震へけり
中空へ灰遊泳すどんど焼きぽんこ
火かき棒に現るる達筆吉書揚うつぎ
年男駈けし参道吟行すこすもす
高舞ひて渇筆しるき吉書揚かかし
遠巻きに幼なが囲むどんど焚きよう子
大吟醸のクリームひびの手にやさしきづな
酒蔵の湯気立ちのぼる初御空満天
六甲の天辺仄と雪被くはく子
寒禽の来よもちの実の熟れたるに
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