毎日句会みのる選

2004年9月8日投句分

Date:2004-09-10 (Fri)

威銃火伏の神へこだませり  やす子  
威銃こだま行き交ふ峡の村  一弘   添削> こだまして相撃つ峡の威銃
山間の一村照らす十三夜   こう   添削> 十三夜百戸の村を照らしけり
初産の牛をねぎらふ小豆飯  たまき  添削> 牧牛の初産祝ふ小豆飯
単線の窓を見飽きず谿紅葉  明人   添削> 単線の電車傾く紅葉谿


[選評]
*威銃火伏の神へこだませり
京都の愛宕山には火伏の神様として信仰を集めている愛宕神社がある。
 「火伏の神へ」という言い方がうまい。
 
*威銃こだま行き交ふ峡の村 → こだまして相撃つ峡の威銃
 「谺行き交う」は説明。もう一歩突っ込んで感じること。

*山間の一村照らす十三夜 → 十三夜百戸の村を照らしけり
 ちょっと寂しい雰囲気の十三夜が効果的。山間の一村・・は説明的なので具体的に言い切ること。

*初産の牛をねぎらふ小豆飯 → 牧牛の初産祝ふ小豆飯
 牛をねぎらうための小豆飯ではなくて、お世話する人たちが無事出産を祝っているのでは?

*単線の窓を見飽きず谿紅葉 → 単線の電車傾く紅葉谿
 「単線の窓」はことばとして強引。「見飽きず」も説明。

・添削の域を越えたかもしれません。
・説明をせず、具体的に、というGHの方向を理解していただきたくて添削しました。
・考えて作った句は具象性に欠ける。見て、具体的に感じて詠む・・を励行してください。



2004年9月7日投句分

Date:2004-09-09 (Thu)

リハビリの百歩に達し秋晴るる    絹子   添削> リハビリの百歩達成天高シ
蜩や鏡のごとき山の湖        茂樹   添削> 蜩や鏡の湖の昏れなんと
垣越しに言葉掛け合ひ野分あと    文月   添削> 垣根越し言葉掛け合ふ野分あと
水澄むや富士をまぢかに蕎麦処    とろうち
減反の田は紅に秋桜         のりひこ 添削> 減反の田を埋めつくす秋桜
天の川仰ぎて語る大志かな      青菜   添削> 天の川仰ぎて夢を語りあふ
ねこじやらしどこへ行くにも犬連れて はるを  
倒木の杉の香に満つ野分跡      風花   添削> 倒木の杉の香放つ野分跡



2004年9月6日投句分

Date:2004-09-08 (Wed)

呼び合ひて海峡渡る霧笛かな    一弘   添削> 呼応して海峡渡る霧笛かな
吾子の名を決めかねてゐる夜長かな 更紗   
しなやかに十指の反りて風の盆   花茗荷  添削> しなやかに反りし十指や風の盆
減反の名札にとまる鬼やんま    ねこ   添削> 減反と記す立て札鬼やんま
寝そべいる牛も一景花野かな    美津子  添削> 乳牛の寝そべってをる花野かな



2004年9月5日投句分

Date:2004-09-07 (Tue)

釣舟を撒きしごとくに秋日和  いなみの 添削> 釣舟の沖にちらばる秋日和
川の瀬の光りて蜻蛉透けにけり 茶猫   添削> 瀬明かりに蜻蛉の羽きらきらす
澄む水を神に供へて窯開く   よし女  
秋空へとけて消えゆく飛行雲  のぶお  添削> 秋天へとけて消えゆく飛行雲
孫の手に折り鶴ひとつ敬老日  文月   添削> 折り鶴を孫の差し出す敬老日
稲刈機轍を深く田を上がる   一尾   
やすめゐる写経の筆や虫時雨  明人   添削> 虫時雨写経の筆をやすめけり
まどろみつ磯節を聞く夜長かな 良坊   
霧襖うごけば動く杉襖     志乃   添削> 霧襖うごけば走る杉木立
秋草のまだ新しき供養塔    ゆうこ  添削> 秋草をあふれしめたる供養塔



2004年9月4日投句分

Date:2004-09-06 (Mon)

句碑おほふ丈余の萩の紅と白 粲    添削> 句碑おほふほどや丈余の萩盛る
湖を囲みし稲田黄金色    やよい  添削> 湖を金色に染む豊の秋
城下町舟にて下り秋惜しむ  よし女  添削> 水の秋舟で巡りぬ城下町
竹林を渡りくる風秋の声   我風   添削> 竹林をと行きかく行く秋の風
隣りあふ武将の墓や秋暑し  満天   添削> 落ち武者の墓犇きて秋暑し
守り札牛舎に貼りて秋に入る まりこ  添削> さはやかや牛舎に安産守り札
鶏頭に雨の一日ありにけり  東吾



2004年9月3日投句分

Date:2004-09-05 (Sun)

求職者紺のスーツの暑き秋   こすもす 添削> リクルートスーツの徒らに秋暑し
退院と弾みし電話秋さやか   馬魚   添削> さはやかに退院告ぐる電話かな
生まれたと受話器の声や菊日和 文月   添削> 生まれたと電話より声菊日和
千年の杉に霧立つ神の山    今日子  添削> 千年の神杉霧に仁王立
神苑や白砂多し萩多し     きづな  添削> 神苑の白砂に萩のこぼれをり
水澄むや知床五湖を巡る旅   初凪



2004年9月2日投句分

Date:2004-09-04 (Sat)

秋空はポプラ並木の向こうにも   としゆき 添削> 喬木のポプラ並木に天高し
蚊遣り豚片耳欠けてくすぼれり   松子   添削> 蚊遣り豚片耳欠けて燻りけり
秋空やゴンドラ吊るすビルの窓   みよき  添削> 秋天下ゴンドラ吊るすビルの窓
落蝉の大きく一度ふるへけり    はるにれ 添削> 落蝉の大きくふるへそれっきり
小鳥来るたびに目をやり童巫女   志乃
犬連れのジョギングコース小鳥来る ひとし  添削> キャンパスのジョギングコース小鳥来る
雨に濡れ瑠璃のつゆ草至福かな   すずかぜ 添削> 雨に濡れつゆ草瑠璃の珠こぼす
着くづれて傾いてゐる案山子かな  東吾
総出とて百戸たらずや村芝居    まこ



2004年9月1日投句分

Date:2004-09-04 (Sat)

デカンショは山の芋なり丹波かな けんいち 添削> デカンショといふは丹波のやまのいも
野分去る疎水の面の空青し    光晴   添削> 野分去り疎水に映る空の青
秋天へのの字に廻す釣りの竿   志峰   添削> 秋天へ投釣りの竿一旋す
星に掌をかざして動く踊の輪   よし女  添削> 星に掌をかざして進む踊の輪
無人店採れとれ野菜露ひかる   宏虎   添削> 露光る新鮮野菜無人店
秋晴れや肩越しに見る大道芸   たまき  添削> 秋晴れや大道芸に人たかる
野分け立つ阿修羅の如く波頭   ゆうや  添削> 阿修羅さながらに野分の波頭
振り向けば湖霧を脱いでをり   はく子  添削> と見る間に山湖は霧を払ひけり
夜業終ふ旋盤工に鉄にほふ    初凪
水底の浮葉の影や秋気満つ    志乃   添削> 水底に揺らぐ浮葉の秋日影
とんぼうとつかの間並ぶ野道かな 廣美子  添削> とんぼうの群れのつきくる野道かな



2004年8月31日投句分

Date:2004-09-02 (Thu)

伏流の砂噴く沢の水澄めり   古鷹   添削> 沢の水砂吹き上げて澄めりけり
読了の一書や荘に秋の風    こう   添削> 読了す一書や荘の風は秋
お花畑過ぎて頂き遠からず   青志   添削> お花畑過ぎて山頂遠からず
暴風雨にかき消されたる鼾かな 地球   添削> 台風裡夫は豪傑鼾かな
野山にも野分疲れのありにけり 千舟   添削> 野山にも野分疲れの見えにけり
傾むきし漬物小屋にちちろ鳴く ねこ
子はすぐに走りたがりぬ鰯雲  とろうち
臨月の牛の泪に秋の蝿     晴海



2004年8月30日投句分

Date:2004-09-01 (Wed)

みちのくの旅の馬車にも乗りて秋 美甫   添削> みちのくの馬車に乗りもす旅の秋
裾端折り踊りの列に飛び入りぬ  水泉   添削> 裾端折り踊りの列へ走りけり
雨音に序破急のあり颱風来    とろうち 添削> 雨音の序破急告げて颱風来
雲走る野分の渦の端千切れ    松子   添削> 渦巻いて千切れとぶなり野分雲
唐辛子魔女の爪とも帽子とも   俊郎   添削> 魔女の爪かくやと思ふ唐辛子



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