素秀:公園の休憩所でしょうか。落書きも隅っこにこっそり書いたようかものからスプレーで派手に吹き付けたものまでいろいろあります。どちらにしてもがっかりする気分になります。

あひる:吟行がてら出かけた公園で春を満喫し、園内の四阿でひと休みしたのでしょう。ところがそこは落書きだらけ、自然の恵みの中で植物も小鳥たちも懸命に生きているのに、なんということでしょう!心ない人のすることは…と、心がかげる思いです。

せいじ:春愁ふが三春の季語。市民公園であろうか、四阿の柱や壁にたくさんの落書を発見したのであろう。のどかな春の気分をぶち壊すような所業に心が痛むが、そのことから逆に、句には描写されていない、四阿の周りの公園の美しさ(例えば、満開の桜や鳥のさえずりなど)が想像できる。